東京地裁

 JR東海が建設するリニア中央新幹線(東京・品川―名古屋間)の工事実施計画を国が認可したのは違法だとして沿線住民らが取り消しを求めている「ストップ・リニア!訴訟」の第20回口頭弁論が10日、東京地裁(市原義孝裁判長)でありました。原告側の半田虎生弁護士が意見陳述を行い、リニアの工事で発生する残土が土砂災害の原因になる危険性を指摘しました。

 半田氏は、7月3日に静岡県熱海市で発生した土石流で最上流部に埋め立てられた「盛り土」が崩落し、大きな被害が出たと強調。リニアの路線は大部分が地下で、南アルプスを横断する山岳トンネルの建設などにより「大量の残土が発生することは明らかだ」と主張しました。

 リニアの関東車両基地(相模原市緑区)建設工事が、土砂災害警戒区域を含む土地で行われる問題も指摘した上で「JR東海の工事実施計画は、残土の具体的な処分方法を示しておらず、土砂災害のリスクをいっさい考慮していない。国はただちに認可を取り消すべきだ」と述べました。

 弁論後の報告集会では、東京学芸大学の小泉武栄名誉教授(自然地理学)が「リニアが破壊する南アルプスの自然」と題して講演。日本共産党の畑野君枝、本村伸子両衆院議員と山添拓参院議員が参加し、連帯のあいさつをしました。

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(しんぶん赤旗2021年9月11日付)