野党が共同提出した消費者権利実現法案は、政府提出の特定商取引法改定案への対案として、22日の衆院本会議で審議されました。

 趣旨説明に立った日本共産党の畑野君枝議員は、政府案には不当な勧誘行為に対する契約取消権が創設されていないと指摘。全会一致の付帯決議で政府に求めてきたにもかかわらず、2年の期限を過ぎても実現していないとして、「政府がつくらないのであれば立法府が責任を持って対応する必要がある」と表明しました。

 政府案には契約書の電子化を可能とする項目が含まれていると指摘。契約書が紙であることで、家族や友人が契約に気づき、被害者回復の道を開いてきたと述べ、「これ以上の消費者被害を防ぐためにも電子化は導入してはならない」と強調しました。

 そのうえで、来年4月からの成年年齢引き下げに伴い、18歳、19歳には「未成年者取消権」が適用されなくなるなど、「若年者の被害を防止するための法整備が十分になされていない」と批判。「契約について再考し、周囲の人に相談できるよう、クーリングオフ期間の延長が必要だ」と主張しました。

(しんぶん赤旗2021年4月23日付)

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【議事録】

○畑野君枝君 ただいま議題となりました消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案、いわゆる消費者の権利実現法案につきまして、立憲民主党・無所属、日本共産党及び国民民主党・無所属クラブを代表して、その提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 消費者被害は、どのような立場にあったとしても、他人ごとではなく、いつでも私たちは知らず知らずのうちに悪徳商法の餌食となる可能性があります。昨今では、COVID―19、いわゆる新型コロナウイルス感染症による新しい生活様式のためオンラインでのショッピングや契約の締結が多くなり、新しい消費者被害が増えてきています。
 一方、これまでの政府の対応は十分とは言えません。消費者委員会から付言された成年年齢引下げに伴う若年成人の消費者被害に対する法整備は実現していません。事業者団体との合意形成が困難であるからと、消費者が判断できない事情を知りながらつけ込んで契約を締結した場合の取消権の創設もなされておりません。国会において、全会一致の附帯決議で政府に求めてきたにもかかわらず、二年の期限を過ぎても実現していないのです。
 政府が作らないのであれば、立法府が責任を持って対応する必要があると考えます。これが、消費者を守る、消費者の権利を実現する第一の柱です。
 第二に、今回の政府提出法案において、契約書等の電子化を可能とする項目がなぜか含まれています。
 書面であれば、本人が契約してしまったことを、家族や友人に気づいてもらえることで被害回復への道が開かれているにもかかわらず、紙の契約書がなければ、そうした機会を失い、かえって被害が拡大してしまいます。
 契約を書面で取り交わすことが消費者被害の拡大を防ぐ最後のとりでなのです。契約書等の電子化は、これ以上の消費者被害を防ぐためにも導入してはなりません。
 第三に、来年四月からの成年年齢引下げに伴い、十八歳、十九歳の若年者は、今大人の私たちが十八歳、十九歳のときに消費者被害から逃れる無条件の守りの盾であった未成年者取消権を失ってしまいます。にもかかわらず、成年年齢引下げの議論が始まった当初から指摘されてきた、若年者の消費者被害拡大を防止するための法整備は十分になされておりません。
 そのため、契約について再考し、周囲の人々に相談できるよう、当分の間、クーリングオフ期間を延長し、若年成人の消費者被害の拡大を防止する必要があります。
 これらの三本柱をもって、消費者を守る、消費者の権利を実現する、その本来の消費者庁の役割を果たしていただく必要があります。
 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、消費者契約法について、意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為の類型に、つけ込み型の包括的な類型として、消費者が合理的な判断をすることが困難な事情を有することを知りながら、社会通念に照らして当該消費者契約を締結しない旨の判断を困難にする行為をすることを追加することとしています。
 第二に、特定商取引に関する法律について、詐欺的な定期購入商法への対策として、通信販売における契約の申込みに係る書面等への不実の表示や人を誤認させるような表示を禁止するなどの措置を講ずるものとしています。
 また、売買契約に基づかないで送付された商品について、販売業者がその返還を請求することができる期間をなくすこととしています。
 ただし、消費者保護を徹底する観点から、販売業者等が交付すべき書面の電子化に関する規定は設けないこととしています。
 第三に、特定商品等の預託等取引契約に関する法律について、法規制の対象を全ての物品に拡大し、法律の題名を預託等取引に関する法律に改め、販売を伴う預託等取引を原則として禁止するなどの措置を講ずることとしています。
 また、預託法についても、預託等取引業者が交付すべき書面の電子化に関する規定は設けないこととしています。
 第四に、二十歳未満の成年者について、特定商取引に関する法律のほか、十三の法律中のクーリングオフに係る規定の熟慮期間を一律に七日間延長する措置を講じています。
 なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしています。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要です。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
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 消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案(川内博史君外十名提出)の趣旨説明に対する質疑