全国約7500の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」で、2020年度までの4年間に少なくとも4億円を超える不正出金が発覚したことを受け、日本共産党、立憲民主党、国民民主党の3党は10日、「全日本私立幼稚園連合会不正会計問題」調査チームを立ち上げました。同日、国会内で第1回ヒアリングを行い、文部科学省から説明を受けました。
文科省が提出した田中雅道会長代行名の同連合会加盟園向け「お詫(わ)び」文書(9日付)によると、17~19年度に災害対策などの基金が無断で取り崩され、約3億2千万円の使途不明金が発生したと指摘。田中会長代行は連合会の通帳類の偽造などへの関与を認めた香川敬前会長に対し、刑事告訴も検討しているとしています。
文科省の大杉住子幼児教育課長は、20年度にも現時点で8千万円以上の使途不明金があり、不正出金は合わせて4億円超になると説明。連合会の関連団体で、自民党の河村建夫衆院議員が会長の「全国私立幼稚園PTA連合会」でも、20年度だけで4千万円の使途不明金があると明らかにしました。
大杉課長は、連合会が文科省から年間1千万円の委託費を受けていると述べました。
日本共産党の畑野君枝議員は10日の衆院文部科学委員会で「全国の幼稚園にかかわる問題。実態解明に文科相としてしっかり取り組んでもらいたい」と迫りました。萩生田光一文科相は「道義的責任はあると思う」と述べる一方、任意団体の連合会には指導できないとして、「成り行きを見守っていく」と答弁。畑野氏は「政府の予算もかかわっている」と強調し、実態解明を求めました。
(しんぶん赤旗2021年3月11日付)