12月2日の衆院科学技術特別委員会で、井上信治科学技術担当大臣が日本学術会議に国の機関からの切り離しの検討などを求めたことを批判し、学術会議設立の原点や独立性を脅かすものだと追及しました。

 学術会議について、科学者が戦争に協力した反省の上に設立されたのが原点だと指摘し、同会議の政府からの独立の重要性について認識をただしました。井上担当大臣は、学術会議法で同会議は独立して職務を行うと規定されていることについて、1948年の衆院文教委で当時の政府委員が、独立とは各省の掣肘(せいちゅう=干渉し自由にさせないこと)を受けない趣旨だと答弁をしていると述べました。

 2015年に有識者会議が学術会議のあり方について「これを変える積極的な理由は見いだしにくい」との報告をまとめていると指摘すると、井上担当大臣は報告を「引き継いでいる」と述べつつ、国からの切り離しを含め組織形態の検討をお願いしていると答えました。

 切り離しの検討を求めるのは報告と矛盾し独立性に反する介入だと追及しました。報告が事務局の体制強化を求めているのに予算も定員も減少しており、「学術会議の機能を高める責務を果たさず、あり方の見直しを求めるのは本末転倒だ」と批判しました。

 また“推薦通りに任命しなくてもいい”とする18年の文書の作成過程で、内閣府が、ほかの省庁による団体会員の推薦にもとづく任命の例を「候補者ネガチェック」といわれる過程など含め詳細に調査していると指摘し、関係資料の提出を求めました。

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