東京大学(東京都文京区)が、非常勤講師を労働者と認めず業務請負契約にしていたことを是正し、過去にさかのぼって雇用契約に切り替えるとしていることが、16日までに分かりました。首都圏大学非常勤講師組合と東京大学教職員組合(東職)に同大学が回答したもの。これにより約3000人の雇用契約が改善されることになります。

 大学が学校教育法を順守して、授業に責任を持つためには、非常勤講師を直接雇用し、指揮命令権を確保する必要があります。

 東大はこれまで非常勤講師に対して、外部の有識者が学内で講演したときなどに支払う「謝金」を毎回渡すという扱いで、雇用条件通知書などは作成していませんでした。非常勤講師は、労災の適用が受けられない、東大で教えている証明ができないなどの不利益を受けていました。

 東大当局が10日に組合側に示した文書では、「非常勤講師の労働者性に配慮し、非常勤講師を従来の業務請負契約から雇用に切り替え」、賃金などの規定を整備するとしました。2016年度の非常勤講師は約3000人、そのうち他大学でも正規職についていない講師が約300人でした。この問題は、非常勤講師組合と東職が共同して団体交渉で是正を求め、9月21日、東大当局が改善を約束していました。

共産党国会議員

労組に聞き取り 国に指導求める

 日本共産党の宮本徹前衆院議員(東京比例、20区候補)と吉良よし子参院議員が労働組合から聞き取り調査を行い、宮本氏と、はたの君枝前衆院議員(南関東比例、神奈川10区候補)が文部科学省と厚生労働省に東大への指導を求めていました。