天下り最終報告は不十分

衆院委 畑野氏が全容解明求める

 日本共産党の畑野君枝議員は5日の衆院文部科学委員会で、文科省の組織的な天下りあっせんについての同省調査の最終報告は不十分だとして、徹底した全容解明を求めました。

 畑野氏は、最終報告では、職員OBによる天下り仲介の構造ができた過程が未解明だと指摘。現役職員によるあっせんを禁止した2007年の法改定当時の関係者に認識をただしました。

 参考人の常盤豊・元人事課長は、特定の人物からの指示を否定。仲介役を務めていた人事課OBの嶋貫和男氏も、「具体的に要請を受けたわけではない」と否定しました。

 松野博一文科相は「(最終報告で)相当程度解明されている」と答弁。畑野氏は「構造の解明は不十分だ」と、さらなる参考人招致を求めました。

 畑野氏は、自己申告で証拠が必要だった当初の調査方法にも疑問を呈し、天下りを調査した再就職等監視委員会に対する文科省の隠ぺい工作の真相解明も訴えました。

 また、07年当時の人事課が「改正法の範囲内でどのように対応するのかが大きな課題」と認識していたとの最終報告の指摘に触れ、「どう再就職させるかに専ら頭がある。この認識では、いくら法律が変わっても、天下り推進の体質は変わらない」と批判しました。

 松野文科相は、今回の件を「猛省している」と言いつつ、「法規制された現職が関わったことが問題だ」と述べ、関係の深い職場への再就職自体は否定しませんでした。

(2017年4月6日付 しんぶん赤旗より転載)

 

【会議録】

〇畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。初めに、三月二十七日、栃木県で高校生の登山講習会中に発生した雪崩により亡くなられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、負傷された方々にお見舞いを申し上げます。  文部科学省を初め関係者の皆さんの、原因究明と今後の対応を進めていただくように求めてまいりたいと思います。  それでは、文部科学省の天下り問題について質問をいたします。きょう、委員会の資料として、皆さんのお手元にも文部科学省における再就職等問題に係る調査報告(最終まとめ)が配られております。きょうは、初めに、この点について幾つか質問をいたします。

 まず、この最終まとめの五ページにございます点です。この間、法律が変わりました。「平成十九年改正国家公務員法の施行時の文部科学省の状況」ということが書かれておりまして、一つは「改正前の再就職あっせん業務」とあります。

 平成二十年十二月三十一日に改正国家公務員法が施行される前は、国家公務員は離職後二年間、その離職前五年間に在職していた国の機関等と密接な関係にある営利企業へ就職するときは人事院の承認が必要とされていた。この当時において、文部科学省から営利企業に再就職をする職員は少なく、規制の対象外であった学校法人等の非営利法人に再就職する者が中心であったことから、退職後二年を経ることなく、学校法人等への再就職あっせんを、人事課において業務として行っていた。 と述べられております。  そして二つ目に、「改正法に対する当時の人事課の認識等」というところで、改正法に基づく再就職等規制の導入により、現職職員が再就職に関与できなくなるとともに、職員OBの主な再就職先であった学校法人等の非営利法人も規制対象となることから、改正法の範囲内でどのように対応するのかが大きな課題であった。 と述べられております。  そこで、きょうは、参考人の方にも来ていただいておりますので、この点について幾つか伺いたいと思います。次に、松野文部科学大臣にも、この点について御認識を伺いたいと思います。  当時、それまでは天下りというのは原則禁止であった、どうしても必要であれば人事院に承認してもらうということだったと思うんです。それは原則なくなったということが法改正によって行われたわけです。同時に、学校法人等非営利法人も対象に、規制にはなっていくわけですけれども、そういう変化があった。

 ここに、二番目のところに書いてある「改正法の範囲内でどのように対応するのかが大きな課題であった。」ということは、どういう当時の皆さんの認識だったのかということが問われなくてはいけないというふうに思うんです。この点についてどのようにお考えなのか、まず、政府の方から当時の法解釈を含めてお話しください。

〇中川政府参考人 お答えいたします。  まさに、当時の改正法に基づく再就職等規制の導入のころ、これは、ただいま委員御指摘の、最終まとめの五ページに書いてあるところでございます。最終まとめ、今読み上げられたところですが、当時の人事課の認識として、改正法が施行される前は、学校法人等の非営利法人への再就職あっせんを業務として行っていた人事課においては大きな課題であったと。  具体的には、これもいろいろなヒアリング調査等を通じて把握したものでございますが、最終まとめにもございますように、職員OBの再就職について、改正法に基づく再就職等規制の導入により、現職職員としては職員OBの再就職にかかわることができなくなる、今までやっていたことができなくなるので、どういうふうにやっていったらいいか、これが一つの課題でございましたし、そこに慎重な対応が必要であるという認識があった一方、新設されるまさに官民人材交流センターとか民間の人材あっせん団体が有効に機能するか、このあたりについても懸念があったというお話もございまして、このような問題について一体どのように対応していくか、これが課題であったということが多数のヒアリングから指摘されたということでございます。

 〇畑野委員 それでは、その当時担当をされていた方に伺いたいと思います。どのような御認識だったのか。きょうは、お越しいただいた、銭谷元文部科学事務次官、それから小松親次郎人事課長、お二人の参考人からお話をしていただきたいと思います。

〇銭谷参考人 お答えをさせていただきます。私は、法が施行されましたときから平成二十一年の七月まで事務次官の職にございました。それで、当時の状況といたしましては、改正法に基づきまして再就職規制の導入が図られて、一つには、今お話もございましたが、現職職員が再就職に関与できなくなるということと、学校法人などの非営利法人も規制の対象になるということで、人事課を初め現職の職員が再就職のあっせん等を行うということはできなくなったわけでございます。そこで、私どもとしては、法令を遵守しながらどのように対応するかが課題であるという認識をまず持ちまして、職員に遵法意識の徹底を図るといったような、必要な資質の育成の措置とか継続的な研修等を講ずるべきであるというふうにまず思いました。ただ、今思いますと、そのことが必ずしも十分でなかったということの責任をまず感じております。  それから、現実的な対応といたしましては、結局、退職をしたOBの方とかあるいは外部の方々のお力を、一つはおかりしていくことになるのかなという漠然とした思いは持っていたというふうに記憶いたしております。

〇畑野委員 そうしますと、銭谷参考人は、そうは漠然と思っていたが、何かそれについて具体的に手を打ったということはなかったということですか。

〇銭谷参考人 やはり当時思いましたのは、法令をきちんと遵守していくということでございましたので、私としては、特に職員の再就職について具体的にかかわったとか、そういうことはございませんで、その後、退職をするわけでございますけれども、退職をされた私どもの先輩なりがいろいろと後輩の、その後退職される人のお世話を見ていくことになるのかなと思っていた、そういう状況でございました。

 〇畑野委員 当時の雰囲気がよくわかる、大事な御答弁だったと思うんですね。何となく、先輩がやってくれるのかなと。  結局、この法が、いいか悪いかというのはまた後で私は意見を申し上げますが、それについての認識が甘かったんじゃないかと私は言わざるを得ないんですが、小松参考人は、その当時、どうでしたか。

〇小松参考人 お答え申し上げます。  その前に、今回の再就職規制違反等の問題につきまして、私は法律改正当時の人事課長でございます。その後に起こっていったことを考えますと、行政の不信を招きましたことにつきまして本当に心から申しわけなく思っております。心からおわびを申し上げ、それを前提として答弁させていただきます。まず、認識そのものにつきましては、私も、今回の調査のヒアリング等さまざまな形で、持っております記憶、情報等は提供いたしましたので、それも加味した上で報告書が第三者によってまとめられたと思っております。そういう意味では、先ほど調査班長から答弁のありましたことは、私が当時認識しておりましたことと全くそごがございません。具体的にどういうことが大きな課題だったかというお尋ねであったかと思いますけれども、一つは、法律が変わって、今まで、要は退職をどのように管理するかということについて、職務として行われてきたことの内容が大きく変わるということに対応して、どこまでの範囲であれば法的に違法がなく、かつ、制度の目的に照らして適切であるかという範囲をどのように考えて対応すればいいのかということについては、まだ法律ができたばかりで、実績や積み重ねもなく、さまざまな、例えば再就職等の監視をされるところから出されるパンフレットとか、問い合わせとかをしながら、どういうふうに理解をしていけばいいのかということを試行錯誤していたということがございます。

 それからもう一つは、当時、この法律改正については官民人材交流センターの構想がございまして、立ち上がりにつきましては、発足当初期というような言い方をしていたと思います。それから、本格稼働期というものがおおむね構想されておりまして、大体三年ぐらいたったところで本格稼働するような形にしていこうということで、政府内でも説明会もございましたので、それに向けてどのようにしていくと一番おかしくない制度になるのかというようなこともきちっと検討していかなければいけないという状況がございました。これへの対応。それからさらに、今までの御答弁にもありましたように、そもそも、OB等に限りませんで、民間において自主的に退職後に求職活動が行われていくということが想定されましたので、これは、OBというようなこともありますけれども、ほかに例えば民間のあっせん会社とか、そういったものも存在しているわけでございまして、こうしたものをどのようにして活用されると、国民に疑惑を招かず、新法の趣旨に沿った対応になるのか、こういったことを検討しなければいけないということでございました。  しかしながら、そのことが十分にきちっとした結論を得るところまで達せず、また、それに伴って必要な理解に基づく遵法意識の醸成ということについては不十分であったということで、ここでも、評価、批判をされていると思います。そのことを重く受けとめる必要があるというふうに理解しております。

〇畑野委員 つまり、今まで続けてきたことの、職員をどういうふうに再就職させようかというところに専ら頭があって、実際、それまでもそうなんだけれども、国民の疑念を抱かれないように天下りというのは禁止するんだ、関係あるところには行かないんだ、その精神が貫かれていたかということが問われると思うんですよね。それは、その時々の法について政治の世界で決めますから、いろいろな意見の違いはありますよ、私たちは新たな提案もしているわけなんですけれども。ただ、ここのときに、どういう法律に基づいてやるとするのか、それが不都合であれば、それは不都合であるということも含めて国民的な議論をしていかなくちゃいけないわけですよ。そこのところの、今回、最終まとめ、私は最終と言えるのかという点では、この後質問を続けますけれども、この改正法の範囲内でこれまでのことをどんなふうにうまくやっていけるかなみたいな、これではだめだったという認識があるのかどうか、ここにしっかり立たないと、これから先、幾らいろいろな法律が変わっても変わらないと思うんですよ。その点はやはり政治の立場におられる松野文部科学大臣初め政府の役割は大きいと思うんですが、その点についての御認識はいかがでしょうか。

〇松野国務大臣 お答えをいたします。当時の、平成二十年十二月三十一日以降の制度変更があった中における文部科学省としての意識は、今、中川参考人や、当時その職の立場にあった参考人からお話があったとおりであったんだろうというふうに思います。OBの方々に頼るということかなという意識、今お話もありましたし、また、OBの方に頼るという形であればこれは法に抵触しないのではないかという、いわば軽信と指摘をされているところがあって、そういった中において、これは監視委員会の方から法を潜脱する目的で構築されたと指摘をされている制度ができていったのであろうというふうに考えております。また、これは、OBを通した案件以外で、直接的に現職職員が行っている事案もございます。これは当然、その中においては法制度に対する理解不足という事案もありますが、しかし、大きなところは、やはり身内意識の甘えから遵法精神が欠けて、結果として法規制を破ってしまったということにつながっていったのであろうというふうに考えております。こういった流れの中で、今回、文部科学省が国民の皆さんの信頼を著しく損ねたということに関して、本当に猛省をしているところでございます。

 制度全体に関して政治的にどう今後考えるのかという先生の御指摘でございますが、現状において、公務員の皆さんがその経験、知識を生かして再就職をして、また新しい場において活躍をするということは、これは有意義なことであると思いますし、法的にも認められていることだと思います。今回の問題点は、それが法に規制された、現職の職員がかかわってはならないということが、かかわってしまったという点に問題があるんだろうというふうに考えております。

〇畑野委員 最後の大臣の御発言については、私は違う意見を持っておりますので、それは後で申し上げたいと思います。

 次に、最終まとめの六ページのところを伺いたいと思います。二の「再就職あっせんの概況」というところでございますが、嶋貫氏の活動の環境整備を平成二十一年当時の事務次官を初め幹部職員が積極的に支援したのではないかとの推測も含めて調査を行ったが、平成二十一年から少なくとも平成二十四年まではメール等の物証がほとんど残っていない時期であり、関係者に対してのヒアリング等からは得られなかったというふうにしております。ここが今回の最終まとめのわからないところの一つなんですよね。誰がこの構造をつくったのかというのが書かれていないんです。それで、事務次官を初めとした幹部に、当時の方に伺いたいと思っていたのですが、当時審議官、後に事務次官になった清水潔参考人はきょう来ていただけていない。一番聞きたい方に来ていただけていないということなので、委員長に、引き続き、清水潔参考人に国会に来ていただくように招致をお願いしたいと思います。

〇永岡委員長 後ほど理事会において協議をさせていただきます。

〇畑野委員 先ほども委員会の中で議論になっておりましたが、海外渡航中で来られないと。つい先ごろまでは日本にいらしたのに、突然いなくなられたということでございます。それでは、その当時の人事課長の常盤豊参考人に伺いたいと思います。どなたによってこの構造はつくられたんでしょうか。

〇常盤参考人 お答え申し上げます。  私も、平成二十一年から一年間、人事課長でございました。人事課長といたしまして、今回このような事態になりまして、私自身、しっかり指導監督すべきであったという点で、非常に大きく反省をしているところでございます。まことに申しわけなく思っているところでございます。私自身の認識といたしましては、先ほど私の前任の小松人事課長からお話がございましたが、私が小松前人事課長から引き継ぎましたのは、再就職規制についての法制上の取り扱いについて、非常に厳格な仕組みになりましたので、その規則をしっかりと厳守するということがとにかく一番重要なことなのだということで私は引き継ぎを受けたということでございます。その上で、私の認識といたしましては、これもまさに小松前人事課長からの引き継ぎでございますので、OBの方であるとか、あるいは民間の就職支援会社であるとか、もう現職の手を離れたところで再就職についての活動がなされるということが期待されているという状況だったというふうに思います。ただ、これも繰り返しになりますけれども、小松前人事課長も申しておられましたけれども、その中で、なかなか実際に、もう規則ができた後でございますので、OBの方のあっせんについて我々自身がそこに関与することができないわけでございますので、何か枠組みのようなことで設けて、こうやってくださいとか、そういうことを申し上げるような状況ではなかったというふうに私はむしろ思っております。  そういう意味では、私の認識といたしましては、何かそういう構造をどなたかが意図してつくられたということではなくて、OBの方々による自発的な活動の積み上げというんでしょうか、そういう流れの中にあったのではないかということを私自身も当時の感覚としては持っているということを申し上げさせていただきたいと思います。

〇畑野委員 そうしますと、最終まとめで言われている、「当時の事務次官をはじめ幹部職員が積極的に支援したのではないかとの推測も含めて調査を行った」、この推測は一体どこから来ているんでしょうか、政府の方に伺います。

〇中川政府参考人 お答え申し上げます。まさにこの構造が、いつから、どのような形で、誰が主導して、誰がどういう役割を担ってこれができていったかということが、この調査班の有識者の方々の間でも大きな論点でございました。そういう観点から、いろいろな調査、とりわけヒアリング調査、当時の方々に伺うといったときに、絞って、そういう論点でヒアリングをしたという結果、今まさにここで議論されているような内容を何度も重ねまして、それも、当時の上の方、下の方からやるというようなことを繰り返した上で、結果的にこのような、当時、誰かが主導してそういうものを構築したということは見当たらなかったということで書かれている。それでは、組織がないのか、自発的にできたのかということについては、一方、その認定された事案が、証拠を取りそろえて、このころこういうことがなされていたというのは具体的にこの当時もございました。それが後ろに事案がございまして、その事案は、これは次官まで報告されている、これは誰まで行っているという、それは個別の事案でございますが、この時代にそういうことが一件、二件、幾つか実際に行われている証拠も残っていたということで、そうすると、やはり組織としてこういった構造的なものがあったというふうに評価せざるを得ないというのがこの報告書に書かれたものでございます。

〇畑野委員 松野大臣に伺いますけれども、構造を解明する上で、誰がやったのかとか、そういうところまではメールなど含めて残っていないということですから、そういう点で、本当に、真にこれがわかったのか。外形的にはそういう構造があったなというふうにはなるかもしれませんけれども、そこの不明の部分というのは、これは不明だという認識でよろしいんでしょうか。

〇松野国務大臣 お答えをいたします。  まさに先生御指摘の、どういった過程においてこの仕組みが構築されてきたかということは、今、政府参考人からお話があったとおり、調査班の外部有識者の先生方の観点においても、そこがポイントだということで、意識を持って調査に当たっていただいたということでございます。これは物証がない中で、ここは不明のままかという先生の御指摘でございますけれども、確かに二十一年から二十四年にかけての物証類がそれ以降と比べて少ないということは事実でございますが、その期間においても三千人を対象とした全職員調査も、またその期間に退職をされた方、OBに対する書面上の調査も行わせていただいておりますし、三百回を超えるヒアリング調査でありますとか、また受け入れ側の法人等も含めてのチェックをさせていただいておりますので、そういった意味においては、今回の調査を通して相当程度しっかりと解明がされているというふうに認識をしております。

〇畑野委員 完全ではないということはおっしゃるわけですが。そこで、次に、報告書の中で、先ほど申し上げた六ページの下のところで、嶋貫氏がボランティアベースで行っていたというふうに書かれております。「嶋貫氏は、改正法施行により現職職員が再就職あっせんを行うことができなくなったことを受け、このままでは多くの後輩が困難を抱えることとなるため、自身の経験を生かした支援ができないかという思いから、平成二十一年七月の文部科学省退職後、再就職あっせんを行うようになった。」と。

 嶋貫和男参考人に伺いますが、誰かにどこかの時点で業務としてお願いされたというふうに考えるのが自然なんですが、誰からか依頼をされたんでしょうか。

〇嶋貫参考人 私が公務員を退職した二十一年というのは、まさに新しい規制がスタートした時期でもございまして、その時点で私はもう文科省を離れた立場でございました。文科省自身がどのようにその問題に、新しい課題に向き合って、どのようにお考えになっていたのかというのは詳しく知る立場ではなかったわけでありますが、私なりに推測も交えながら当時考えていたことは、新しいルールができるということは、それはそれなりに文科省にとっても大変なことであっただろう、戸惑ってもおられただろうと思っておりましたし、何よりも、その中で退職を控えている人たちにとっても非常に不安な思いもあったんだろうというぐあいにも考えておりました。

 その中で、私が何か特別できることというのはないわけでありますが、その新しい制度の中で、今お話もいろいろございましたけれども、私なりに考えておりましたのは、再就職のセンターがございましたですね、その交流センターが活用されていくのかなとか、あるいはOBの方がお世話するようなケースも出てくるのかな、かなり漠然としたイメージとして私なりには受けとめておったところではございます。その中で、もし私が誰かから相談を受けてお世話するようなことがあれば、それはそれでありがたいことというんでしょうか、私としても人助けのようなつもりで、そういうこともあり得るのかなというぐらいのことでございまして、お尋ねのところに戻りますと、どなたかから具体にそういうお話を、要請を受けてそういうことにかかわってきたというものではございません。

〇畑野委員 しかし、その後のいろいろな再就職、御自身の部署を考えると、誰からの指示もなしに本当にボランタリー精神でというふうにはなかなか信じがたいわけです。それで、先ほど松野大臣からも幾つかの点の御認識の御答弁があったわけですが、軽信していたとか遵法精神がどうこうというのにとどまらない問題が今回さらに出たわけでございます。これは、今回の端緒となった元高等教育局長の吉田大輔参考人にきょうは来ていただいておりますけれども、その問題でございます。  退職後に早稲田大学に教授として再就職をしたということで、退職前に人事課職員を経由して履歴書等を早稲田大学に提出して求職活動を行い、この再就職のために人事課職員が早稲田大学との連絡調整を行っていた、これが国家公務員法が禁止する再就職等規制に違反をしていたということでございます。これは、最終まとめでいいますと、九ページのところの一番下から、平成二十七年三月ごろの引き継ぎメモに記載のある内容ということで、一番下の行に再就職等監視委員会対応ということで、十ページにかけて、いろいろと声がかかるがその対応はこうすべきだということが行われていたというメモも出ました。そして、きょうはさらに、お手元の資料、これは国会内で出されているものでございますけれども、当時の吉田氏を初めとして、隠蔽のための想定問答集までつくっていたということでございます。  

 まず、吉田参考人に伺いたいんですけれども、この想定問答集に、吉田さん本人と、それから間に立つ、これは黒塗りの方、X氏と言っておきましょうか、そして早稲田大学、それぞれの想定の答弁が書かれているんですが、この黒塗りの名前のわからないX氏というのは、これは実際そのようにかかわっていた方なんですか。

〇吉田参考人 お答え申し上げます。お答えの前に、まず、私の行動によりまして国家公務員法違反というようなことになりまして、文部科学行政にとりまして大変な信用を失墜するというようなことになりましたことにつきまして、私として深く反省をしているということと、それから皆様におわびを申し上げたいというふうに思います。その上で、ただいまの御質問でございますけれども、今お配りになりましたような想定につきまして、これは、人事課の方からこういう線で対応してほしい、そういう要請がございまして、それに従って対応いたしました。

〇畑野委員 そうしますと、重ねて伺いますが、この黒塗りのX氏というのはそういうことはしていなかったということでございましょうか。

〇吉田参考人 お答え申し上げます。黒塗りのこの方は、実際には携わっていらっしゃいません。

畑野委員 重大な答弁でした。これは、問い、吉田氏はどのような経緯で早稲田大学に再就職したのか、答え、国家公務員退職後、平成二十七年八月五日、文部科学省の先輩である黒塗りのX氏から電話連絡があった、早稲田大学が高等教育行政に詳しい人材を求めているという内容であったので、挑戦したいと即答し、その次の日、八月六日に早稲田大学の副総長と面談、括弧、面談日時の調整は黒塗りのX氏が行っていた、その後、必要書類を早稲田大学に提出(八月下旬)し、平成二十七年十月一日付で採用となったというふうに、かかわりのない人をここに書いて、そういう答弁書もつくっていた。まさに隠蔽ですね。問い、黒塗りのX氏と吉田氏の関係性について、黒塗りのX氏は自分にとって三年先輩に当たり、在職中には時折情報交換を行っていたとか、問い、吉田氏は国家公務員を辞職する前に早稲田大学に接触したことはあるのか、答え、自身の採用に関しては接触したことはない。こういう点も全て違うということで、吉田参考人、よろしいんですか。

〇吉田参考人 お答え申し上げます。そのX氏と私との関係性ということにつきましては、これはそのとおりでございました。それは当然、前から知っている人でございます。それから、接触したことはあるのかということにつきましては、監視委員会の方の認定としては、事前に文科省の人事課を経由して私の履歴書などの書類が大学の方に伝わっていたという意味では、その点の接触はあったというようなことでございます。

〇畑野委員 済みません、再確認で申しわけないです。一番目の問いのこの内容についてはどうですか。 〇吉田参考人 お答え申し上げます。一番目のことについては、事前に求職活動と認定されるような行為があったという点は違いますけれども、それ以外に書かれております事柄、早稲田として高等教育行政に詳しい人材を求めているとか、あるいは八月六日に会ったとか、その後、必要な書類を八月下旬に提出した、十月一日付で採用になったという点は、それは事実でございます。

〇畑野委員 つまり、そういうふうに、実際いない人物を介在させて、その人からの話だったというふうに話をつくっていたというその想定問答集ですよね。ですから、これは、単なる軽信だったとか、あるいはうっかりしたとか、法律をよく知らなかったというんじゃなくて、知った上でそれをどうやって隠そうか、隠蔽しようか、こういうことだったのではないでしょうか。松野大臣、いかがでしょうか。

〇松野国務大臣 お答えをいたします。  先生御指摘のとおり、再就職等規制違反自体も、これはもう大変な問題で、国民の皆様の信頼を失ったところでございますが、それに加えてこの隠蔽行為ということを行ったことが、まさに教育をつかさどる文部科学省においてこういった一連の行為がなされたということが、今回、国民の方々からお叱りをいただいている点でございますし、今回の問題に関して、この状況に対してより不信感を増した大きな原因であると考えております。

〇畑野委員 それから、全職員調査をされたということなんですけれども、もう一枚資料をつけさせていただきました。職員各位、平成二十九年二月二十八日、「再就職等規制違反行為に関する調査(再調査)について」ということなんです。これはなぜ再調査を二月二十八日にしたかというと、その中の三枚目に、二月六日に実は最初に調査をしていた、しかし、そこでいろいろな問題点、批判が上がったということで、もう一回、二月二十八日にやっているんですね。一枚目に戻りますと、二十八日付でいいますと、プライバシーへの配慮が足りなかったという問題等もありますけれども、三段落目のところに、「なお、前回の調査において「仮に虚偽の回答が判明した場合、懲戒処分等の量定に影響が出るおそれもあります」と記載したのは、」どうだったのかということが書かれ、「併せて、調査票の中に、他の職員の再就職等規制違反行為について「証明できるものが必要」と記載した趣旨は、」云々というふうに弁解のように書かれて、再調査がされているんですよ。これはどういう意味ですか。

〇中川政府参考人 お答え申し上げます。ただいまの件も、最終まとめの二ページのところにもその経緯等書いてございますが、この二月六日付で実施した全職員調査につきましては、外部有識者の指導、判断のもとに実施したもので、調査の内容等については適切なものと考えておりますが、ここにございますように、調査の書面に、ただいま先生御指摘の、虚偽回答の場合には懲戒処分等の量定に影響が出る、証明できるものが必要と記載した趣旨、これが職員に十分に伝わっていないのではないか、あるいは、回答者個人のプライバシーへの配慮が十分でない回収方法をしていましたので、こういった御指摘を受けたところでございます。調査の書面に、虚偽回答の場合には懲戒処分等の量定に影響が出る可能性、こう記しましたのは、みずからの行為について隠すことのない回答を促進してほしい、こういう観点から記載したところでございます。

 こちらもずっと議論がございますように、今回、法律解釈というものを大変甘く見ていたということもございまして、再調査の際には、既に再就職監視委員会から御指摘いただいた認定事案、あるいは国家公務員法をどういうふうに解釈するか、厳しく解釈しなきゃいけないということが事例として既に挙がっておりました。したがって、この法律をよく解釈した上で、パンフレットもつけまして、その上で、自分の胸に手を当ててきちっと回答してください、これがここの意味でございます。また、他の職員の再就職等規制違反行為について証明できるものが必要と記載した趣旨は、情報提供により懲戒処分につながる、まさに今回処分というものを行っておりますが、今回、違反を認定していくというためには、うわさで聞いているとか何とかで聞いているだけでは認定ということに至りませんので、こういったものが必要だという、調査の正確性を担保することが必要との観点から記載したものでございます。現に、このことによりまして、こうした記載を持った再調査でこういった申請が出てまいりまして、また、みずからのことを申請した、そして結果的に違反認定がされた、細かい経緯は、細かいことは申し上げられませんが、そういった事案が実際にございます。

 このように、これらの記載を含め、本調査の意義、これがきちっと伝わるということが大事だということでこれをやったとともに、非常にプライバシーは重要なものでございますので、回収方法も変えてやったということでございます。一方、当時の御議論で、こういったものが書面にあると、何か、こういうものを見聞きしたけれども、そういうものも情報としては入れたいといったものを閉ざすのではないか、こういう議論をいただきました。私ども、やはり調査を徹底するというようなことから、いろいろなものから情報をいただきたいということで、この書面調査とは別に、再就職等規制違反が疑われた行為を匿名で相談、通報できる窓口、これも並行してそのアドバイスをいただきまして設けて、それでも、そちらからの情報も含め、徹底した調査をやっていたということでございます。もともと二月六日付でやりました全職員調査そのものは、その趣旨を徹底し、実際に、調査班の立場としては、非常にその趣旨が徹底したことにより、また、こういった真相の究明に近づくことができたというふうに考えているところでございます。

〇畑野委員 そうしますと、匿名の調査に基づいて、何件かそういうものはあったんですか。

〇中川政府参考人 お答えいたします。匿名調査の方はずっと引き続きやっております。今でも、そういったものがあれば、私ども真摯に調査をしていくという態度でおりますので。これも最終まとめの二ページに書いておりますが、この匿名窓口から来たものは、本窓口に、このまとめの時点で二件の報告がございました。

〇畑野委員 つまり、二件しかないということですよね。だから、二月の六日時点で、こういうふうな書き方をしたらみんな萎縮する、二十八日も、もう一回そうだよと言われても、それを本当に証明するものがなかったら、いや、いろいろあるけれどもね、もやもやっとして、結局隠蔽に、さらに口封じということになるんじゃないかというふうに言われても仕方がないことだと思うんです。ですから、これは、調査の方法はいろいろあると思います。ですけれども、職員が本当にみずから変えていこうという気持ちを促進するような対応の仕方というのはやはり今後進めていく必要があると思いますが、松野大臣、いかがですか。一言でいいです。

〇松野国務大臣 お答えをいたします。まず、調査の結果に関してでございますが、当初の、実名を記して証拠も挙げるようにという指示をした調査で上がってきた案件が十件でございます。それに加えて、匿名でやったものがプラス二件ということでございまして、トータルで十二件が第三者の事案に関して言及をしたということでございます。先生の方の、要はこの調査が徹底されたものであるかどうかという御趣旨の御質問かと存じますが、現状において、先ほど申し上げましたとおり、全職員に対する調査、OB調査、また三百回を超えるヒアリング調査、団体等に関する調査を徹底的にやらせていただきました。  これは、文部科学省として、現状としてはでき得る限りの調査をさせていただきまして、今回、最終報告とさせていただいたわけでありますが、もともと、この調査は、再就職等監視委員会からの要求によって始めたものでございまして、その調査の項目、方向性についても、監視委員会の方から御指導いただいた内容に対して行ったものであります。  当然のことながら、最終報告を発表するに当たりまして、監視委員会の方に御相談をさせていただき、監視委員会からも、今回の最終報告をもって、一応全容について解明がされていると了承をいただいているということでございます。

〇畑野委員 それで、なおかつ、やはり自己改革を進めていくということでの努力が必要だということを申し上げておきたいと思います。これは、政府としての、全省庁を挙げての今後の対応にもなっていくというふうに思うんです。早稲田大学の問題を少し紹介しましたけれども、例えば、新潟大学でも、理事の採用過程で文科省の職員がとった対応が違法と認定されたことについて、新潟大学の職員組合がきのう記者会見をして、理事の採用無効などを要求されているんですね。ですから、大学の自治をゆがめられたのではないかということが各大学で今問題になっているということであります。そういう点では、二〇〇七年の法改正によって、大学など非営利団体への再就職を業務として文科省が行ってきたことが禁止された、規制になったわけですから、これは本当にやめなくてはならなかったというふうに思うんです。大学への天下りは原則禁止にすべきだと思います。

 それで、実はきのう、野党の民進党、日本共産党、社民党の三党で、天下り規制法案を国会に提出いたしました。文科省の天下り問題の緊急対策としてということですけれども、一つは、職員OBを介した再就職あっせん行為を禁止する等の規制を新設する、それから二つ目に、職員が離職後二年間は、その離職前の五年間在職していた国の機関と密接な関係のある営利企業等の地位につくことを禁止する、つまり、以前のものにまずは戻すという提案などをさせていただいたということでございます。私たちはさらにもっと進めるべきだというふうには思っておりますが、野党三党でも、こういうOBの問題、今回新たに問題になった問題、もっと規制を強めていく、そして、もう一回、原則天下りは禁止だという立場をしっかりと持っていくことが必要だということを申し上げておきたいと思います。  それで、残る時間なんですが、実際、なぜ天下りを禁止しなくちゃいけないのかということで、マスメディアから言われているのは、根本に文科省による大学支配と癒着だというふうに厳しく指摘されているんですね。憲法では学問の自由、大学の自治を守ることが求められている文部科学省でありますから、天下りを通じて、大学を支配し、癒着しているなどということはあってはならないということでございます。

 それで、私、幾つか聞きたいんですが、二〇〇九年以降、国家公務員法第百六条二十五第二項などの規定に基づいて、大学に再就職した国家公務員は何人で、そのうち、スーパーグローバル大学創成支援事業の採択をされたトップ型十三大学、牽引型二十四大学に再就職した国家公務員は何人か、伺います。

〇中川政府参考人 お答え申し上げます。  二〇〇九年、平成二十一年以降、国公私立大学に再就職した人数は百三十六名です。また、そのうち、スーパーグローバル大学創成支援事業に採択されたトップ型十三大学には計十三名、グローバル化牽引型二十四大学には計七名が再就職しております。

〇畑野委員 大学数が七百七十七大学として、そこに百三十六人が天下りしている、一校当たり〇・一八人。そのうち、スーパーグローバル大学三十七大学に二十人ということになると一校当たり〇・五四人、特にトップ型の十三大学に十三人が天下りしている、一校当たり一人。これはトップ型に集中しているわけなんです。  スーパーグローバル大学のトップ型に採用された早稲田大学はどれぐらいの補助金をもらえるということになるのですか。

〇松野国務大臣 まず、先ほどの私の答弁で、実名を記した調査において十件、匿名で二件と申し上げましたが、これは修正させていただきまして、十件は十人と、二名ということでございます。  今ほどの御質問でございますけれども、早稲田大学の構想調書において、平成二十六年度から三十五年度までの十年間の補助金申請額は五十億円とされております。

〇畑野委員 つまり、天下りを受け入れたかわりに、こういうスーパーグローバル大学のトップ型に採択される、そういう癒着があるんじゃないかという疑念が出されても仕方がない状況があるのではないか。  そこで、きょうは当事者である吉田元高等教育局長に来ていただきましたから伺いたいんですが、スーパーグローバル大学創成支援事業は誰が高等教育局長のときにつくられたものですか。 吉田参考人 お答え申し上げます。  これは平成二十六年度からの事業でございまして、当時は私が高等教育局長をやっておりました。

〇畑野委員 そうしますと、さらに吉田参考人に伺いますが、スーパーグローバルに採択された見返りとして早稲田大学に再就職できたのではないか、再就職後、早稲田大学と文部科学省のパイプ役を担われようと思ったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

〇吉田参考人 早稲田大学が採択されましたのは平成二十六年の九月ぐらいだったと思いますけれども、当時、別に私は早稲田大学の方に就職をしようとかというような気持ちは全くございません。  私が再就職をした経緯につきましても、このスーパーグローバル大学との見返りとかということではなくて、当時の早稲田が求めていた人材像と、それから私が大学において行いたいと思っていることが合致したというところで採用していただいたものというふうに認識しております。

〇畑野委員 早稲田大学の大学総合研究センターのホームページに、文部科学省等の各種事業関係に関する連絡調整などへの関与、大学への助言を行うというふうに書かれておりましたが、早稲田大学にはどのような助言をされてこられたんですか。

〇吉田参考人 お答え申し上げます。  早稲田大学は、今、ワセダ・ビジョン一五〇という基本方針に基づきましていろいろと大学改革を進めております。その際に、さまざまな教育に関する制度ですとか、あるいは予算事業ですとか、そういったものについての知識も必要になってまいりますし、それから、その予算事業の関係などにつきましてはどこが担当しているんだとか、それから、その事業の趣旨は何なのかということにつきまして、学内におきましてその趣旨などについてよく把握する必要があるということがございまして、私は、そういった面につきまして大学のその担当の方々に説明をする、そういった役割を担っているということでございます。

〇畑野委員 そこで、文科省に伺います。スーパーグローバル大学創成支援事業に採択された私立大学の授業料はどうなったか。採択される前の二〇一三年度から三年後の授業料はどれだけ値上げしているのか、また平均値について伺います。

〇村田政府参考人 お答え申し上げます。事実関係でございますので、参考人の答弁をお許しいただきたいと存じます。お尋ねの、スーパーグローバル大学創成支援事業に採択されました私立大学の授業料の平均でございますけれども、平成二十五年が八十七万九千五百五十七円、平成二十八年度が九十万二千五百四円ということでございまして、採択後の三年間で二万二千九百四十七円値上がりをしているという状況でございます。 畑野委員 あわせて、では、最新の私立大学の授業料の平均額と、三年前と比較してどれぐらい値上げしているかも伺います。 村田政府参考人 お答え申し上げます。

 私立大学の授業料の平均額でございます。これは平成二十三年と二十六年のデータを申し上げたいと存じますけれども、平成二十三年度が八十五万七千七百六十三円、平成二十六年度が八十六万四千三百八十四円ということで、三年間で六千六百二十一円上昇してございます。  なお、この間、私立大学に通う学生の経済的負担の軽減を図る観点から、私学助成における授業料の減免の補助につきましても拡充をいたしているところでございます。

〇畑野委員 そうしますと、スーパーグローバル大学に採択された私大の値上げというのは、全国の私大と比べて、ちょっと時期はずれますけれども、平均三倍以上の値上げになっているということなんですね。それで、スーパーグローバル大学創成支援事業なんですが、外国人教員や英語の授業をふやすなど国際化に必要な経費、これは誰が負担をするのかということと、早稲田大学の構想調書では、財政支援期間終了後の事業展開の中で授業料はどういうふうにすると書いているのかということについて伺いたいと思います。

〇村田政府参考人 お答え申し上げます。スーパーグローバル大学創成支援事業でございますけれども、徹底的な大学改革と国際化の断行ということで、先生から御指摘がございました外国人教員や英語の授業をふやすなどの取り組みに対しても、大学側の申請により補助金を支出することが可能となっているものでございます。なお、事業規模が交付される補助金額を超える場合には、超過分については大学みずからが負担するということになっているものでございます。  

 それから、あわせてお尋ねがございました、構想調書において、財政支援期間終了後の事業展開についてどう書かれているかということでございます。大学の構想調書の項目の中に、終了後の事業展開ということで、「国際化を推進するため、学費を見直す。授業料を丁寧に見直し、教育研究経費に必要な部分は、学費に上乗せする。」という記載があると承知しております。一方で、同じ項目におきまして、早稲田大学は学費以外の方法で予算を捻出する方策についても示されておりまして、例えば、外国の主要大学におきます寄附金募集方法を参考にしながら寄附金収入の充実を図るとともに、産学連携を通した外部資金の調達も図るということで記載されていると承知いたしております。

〇畑野委員 でも、そうやって自己資金を書くように国も求めている、欄をつくっているわけですね。  財政支援期間終了後の事業展開に向けた資金計画、学費の値上げを含めて、まだ書かなくてもいい時期に早稲田大学は先んじて書いているんですね。授業料値上げの先頭に立ってきた。こういうことを国が先導してもし進めていたとしたら、これはもう重大な問題であって、こういう角度からも、天下りというのは禁止し、私学の、またそれぞれの大学の自主性をしっかりと尊重するという立場を貫くように求めて、質問を終わります。