川崎・武蔵小杉駅

国交省「最大限の安全対策促す」 衆院予算委分科会

 日本共産党の畑野君枝衆院議員は、223日の衆院予算委員会分科会で、ホームドア設置ンドによる駅の安全対策強化を求めました。

 畑野氏は、ラッシュ時の混雑が深刻化している武蔵小杉駅(川崎市中原区)の状況を取り上げ、同駅の南武線と横須賀線のホームドア設置計画についてただしました。

 国土交通省の潮崎俊也大臣官房技術審議官は、南武線について「今後新しい車両に統一される過程で設置が検討される」と答弁。横須賀線については周辺の土地の形状やホームの構造上の制約、タイプの異なる複数の特急、車両が発着することなどから「設置が見通せない」との考えを示しました。ただ、「平日の最も混雑する時間帯に駅員、警備員を配置する。通報措置、転落検知マットを設置している」「国交省としても重要なテーマと考えている。最大限の取り組みをJR東日本などに促していきたい」と答弁しました。

 畑野氏は、混雑の背景には同駅周辺の容積率緩和などによる超高層マンションの建設ラッシュがあるとし「街づくりが深刻な事態になっている」と強調しました。

201737日付 しんぶん赤旗より転載)

 

子ども医療費への自治体助成

国は減額調整やめよ

 日本共産党の畑野君枝議員は223日の衆院予算委員会分科会で、自治体の子どもの医療費助成に対する、国のペナルティー(国保の減額調整)の撤回と、国による全国一律の子ども医療費無料制度の実現を求めました。厚生労働省の谷内繁大臣官房審議官はペナルティーについて「2018年度から未就学児までは行わない」と答えました。

 減額調整額について、厚労省は畑野氏に対し、未就学児で約62億円、小学生約20億円、中学生約10億円だと示しました(14年度、小中学生は試算)。畑野氏は、「小中学生への減額調整額は未就学児に比べてわずかだ。市町村の医療費助成は小学生98%、中学生93%(入院)で行っている」と指摘しました。

 高市早苗総務相は、ペナルティー全面廃止を求める地方6団体の声明に触れて、「厚労省には地方の意見をよく踏まえ対応してほしい。乳幼児医療費の自己負担の在り方について、全国的な制度の検討を求めている」と答弁しました。

201733日付 しんぶん赤旗より転載)

 

 

早期救済へ基金必要

畑野氏 アスベスト被害で要求 衆院予算委分科会

 日本共産党の畑野君枝議員は223日の衆院予算委員会分科会で、建設労働者のアスベスト被害について、国の責任を認める5度目の判決となった札幌地裁判決(2月)が「国として損害を補填(ほてん)する制度を創設する必要がある」と断じたことを示し、「早期救済のための基金の創設が必要だ」と求めました。

 厚労省の田中誠二安全衛生部長は「係争中のため答えられない。現在の給付制において救済を図っている」と答弁。畑野氏は「国と企業が責任を認め、謝り、補償をすることが、二度と被害者をださない本気の姿勢を示すことになる」と国の責任をただしました。

 畑野氏は昨年成立した「建設工事従事者安全健康確保推進法」の実効性ある施行を要求しました。国交省の木原亜紀生審議官は「基本計画は現場労働者の声を聞きながら策定していく」と答弁。高市早苗総務相は、都道府県に法の趣旨を説明する文書で周知徹底すると約束しました。

2017315日付 しんぶん赤旗より転載)

 

日立・東芝 対応迫る

衆院委 畑野氏“雇用対策を”

 畑野君枝議員は223日の衆院予算委員会分科会で、日立と東芝のリストラ問題、鉄鋼業の労災死亡事故について質問しました。

 畑野氏は、60歳の定年を迎える労働者が日立から「雇用延長するが週12回しかない」と迫られ、退職を余儀なくされていると指摘し、「高齢者雇用安定法の趣旨に反しないか」と追及。厚生労働省の坂根工博職業安定局雇用開発部長は、「高齢者の就業実態、生活の安定等を考慮し適切に努める」とした「指針」をふまえ、労使の合意が必要だと答弁しました。

 畑野氏は、東芝の米原子力事業連結子会社ウェスチング(WH)で約7,000億円の巨額損失が見込まれ、川崎市では東芝によるリストラや地域経済への影響が心配されていると述べ、厚労省に雇用対策本部を立ち上げて対応するよう要求。同省は「雇用調整の規模が大きく地域経済、雇用の影響が懸念される場合に(同本部を立ち上げ)再就職支援に努めたい」と答弁しました。

 畑野氏は、鉄鋼業での労災死亡事故の問題を予算委(昨年2月)で取り上げた際に、林幹雄経済産業相が「鉄鋼各社に半年以内をめどに実施報告を求める」とした安全対策の結果をただしました。経産省の佐藤文一審議官は「日本鉄鋼連盟が安全管理対策、経年設備対策を進めている」と答弁しました。

2017314日付 しんぶん赤旗より転載)

 

【会議録】

畑野分科員 日本共産党の畑野君枝です。
 まず初めに、子供の医療費無料化について伺います。
 子供医療費無料化は、子供が何かあったときに、お金の心配なく医療を受けたいという保護者の、地域の皆さんの切実な願いから出発したものです。新日本婦人の会が取り組んだ「子ども医療費無料化拡充・国の制度化を!!ペナルティーは直ちにやめて!緊急アンケート」の中で、川崎市のお母さんはこのように訴えておられます。
 私は小二、小五、小六の子育て中ですが、子供は乳幼児のときに風邪などの感染症で小児科を受診することが多く、学童期になると、骨折やけがで整形外科、虫歯で歯科、視力が悪くなり眼科、花粉症で耳鼻咽喉科に受診することになりました、早期発見、早期治療につなげ、命と健康を守ることだけでなく健康増進の充実につながる助成制度を強く求めています、とりわけ子供の医療無料化は最も急がれる施策です、医療費負担の軽減は本来国の制度として確立すべきものです、どこに住んでいても子供の命は平等ですという声です。
 また、子ども医療費無料制度を国に求める全国ネットワークの皆さんが一昨年の秋から取り組んだ請願署名「地域から国へ広げよう 中学卒業までの子ども医療費無料制度」、これは約七万一千六百筆が昨年十一月に国会に届けられております。
 きょうはお手元に資料をつけさせていただきました。市町村でどのような子供医療費助成が行われているのか、厚生労働省のお調べのグラフです。これによれば、ほとんどの自治体で三歳未満、未就学児、小学生、中学生で行われて、進めているわけですね。
 それで、これまで厚生労働省は、子供の医療費無料化、つまり、窓口の無料化を行っている自治体に対しては、その自治体の国保の国庫負担を減額するという減額調整措置を行ってまいりました。これは本当にやめてほしいと自治体からも声が上がっておりまして、高市大臣も求めていただいたと思いますけれども、いよいよ未就学児までについては医療費助成についての国保の減額調整をしないというふうになったと伺いましたが、その理由について、まず厚生労働省に伺います。
谷内政府参考人 お答えいたします。
 子供医療費助成に係ります国保の減額調整措置につきましては、昨年六月二日に閣議決定されましたニッポン一億総活躍プランにおきまして、子どもの医療制度の在り方等に関する検討会の取りまとめを踏まえまして、見直しを含め検討し、年末までに結論を得ることとされていたところでございます。
 これを受けまして、全ての市町村が未就学児までは何らかの助成措置を実施している実態、今議員がお示しされた資料でございます、また未就学児の自己負担割合は三割ではなく二割としていること、また地方団体、関係審議会での御意見等を踏まえ、検討を行いました。
 その結論といたしまして、自治体の少子化対策の取り組みを支援する観点から、平成三十年度より、未就学児までを対象とする医療費助成について減額調整措置を行わないこととしたものでございます。
畑野分科員 それでは、未就学児までの医療費助成について減額調整措置を行わないことによる国庫調整額は幾らになるのかということと、私はさらにこれは進めるべきだというふうに思っておりますので、同じく小学生、中学生、それぞれ国庫調整額の試算について伺います。
谷内政府参考人 お答えいたします。
 医療費助成に係る国保の減額調整措置の国庫調整額でございます。平成二十六年度で申し上げますと、未就学児で約六十二億円、あと、小学生以上まとめまして、中学生も含めまして約三十・八億円となっております。
 議員御指摘になりました小学生と中学生を区分した国庫調整額につきましては、正確な数字を把握しておりませんけれども、社会保障審議会医療保険部会で一定の仮定を置いた数値を示しておりますので、その数値を紹介させていただきますと、小学生で約二十億円、中学生で約十億円となっております。
畑野分科員 そうしますと、今回の未就学児の医療費助成の減額調整措置の廃止に伴う国庫調整額は約六十二億円。そして、それに対して、今後ぜひ進めてほしい、小学生の部分でいえば二十億円、中学生の部分でいえば十億円という試算が出ている。本当にあとちょっとということだと思うんですね。
 それで、先ほどの資料にありますように、ほとんどの自治体でやっていらっしゃる。小学生でも、助成なしはわずか二%。九八%の市町村で、入院でいえばやっているということですよね。そういう点でいいますと、これは本当にやろうと思えばできるということだと思います。
 それで、昨年十二月二十二日の地方六団体による共同声明では、子供の医療費にかかわる部分は、「子どもの医療費助成に係る国庫負担減額調整措置については、今後、全面的な廃止を求める。」というふうになっております。また、昨年三月二十九日の全国知事会、市長会、町村会の要望では、「国の責任において、子どもの医療に関わる全国一律の制度を構築すべきである。」というふうに述べられております。
 高市総務大臣にお伺いいたします。
 子供の医療費について、本当に子供のためにと、地方の皆さんが頑張っていらっしゃいます。そうした声に、どのようにお応えになるおつもりでしょうか。
高市国務大臣 毎年度、概算要求の時期に、概算要求基準の閣議了解時に、各府省の大臣、副大臣に対して、地方財政に関して取り組んでいただきたい事項について要請をしています。
 委員も御承知のとおりですが、厚生労働省に対しては昨年の八月二日に申し入れを行っていて、その中で、乳幼児医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担金の減額調整措置については、見直しを含めて検討し、年末までに結論を得るとされていることを踏まえて、廃止するなどの見直しをされたいということ、それから、乳幼児医療費の自己負担のあり方については、医療保険制度を含む全国的な制度での対応もあわせて検討されたいということをお願いしております。
 平成三十年度以降、減額調整を行わないとされたことについては、地方側から評価をしていただいていると承知しておりますが、先ほど委員がおっしゃった声明が出ていることも承知していますので、制度を所管される厚生労働省において、引き続き地方の御意見もよく踏まえながら対応していただけると期待をいたしております。
畑野分科員 私も、二〇〇一年、参議院議員として国会におりましたときに、参議院の本会議で、全会一致で、乳幼児医療費の国庫助成を重点的に取り組む、そうした国会決議を上げさせていただきました。本当に、皆さんの、国会挙げてこれをやろうというふうにしているわけですから、ぜひ、国としての責任、進めていただきたいと思うんです。
 少なくとも、国としての減額調整措置というペナルティーは全廃する、そして、地域では、所得制限や一部負担など、本当に自治体の格差があるという状況がありますから、さらなる政策として、国としての全国一律の子供の医療費無料制度をぜひつくっていただきたい、そのことを強く求めたいと思います。
 次に、そうした若い方たちを含めて、安心して暮らしていける、あるいは家庭生活を営むことができる、子育てもできるという点で必要なのは、やはり雇用の問題、もう地域からはたくさん不安の声が上がっております。
 まず最初に、東芝のことを伺います。
 東芝では、かねてから粉飾決算が発覚して、二〇一五年決算で赤字転落に陥って、一万人規模のリストラが行われてまいりました。五十代の男性は、不正会計問題を受けたリストラで、数週間以内に早期退職か配置転換かを選ぶように迫られたという声も報道されております。
 さらに、今回、東芝の連結子会社の米ウェスチングハウスの原子力事業において約七千億円の巨額の損失が見込まれるということで、東芝からは、リストラを進める姿勢だということも伝えられているわけです。この点では、これまでの一万人リストラ、そして今後の対応、この両面が強く求められていると思うんです。
 そこで、大きく二つの点をまとめて伺いたいんです。
 一つは、この間、東芝の大量雇用変動届や再就職援助計画、これがどうだったのか、実態を調査して明らかにする。その上で、その再就職援助計画対象者について、二〇一三年にその就職状況を特別集計としてやってきたわけですから、一万人のこのリストラ計画についても、まさにこういうときに調査をして行うべきだと。
 さらに、労働移動支援援助金というのがあるんですが、その効果の検証をしているというふうに伺っているんですが、東芝ではどのように活用しているか、この点についてまず伺いたい。
 あわせて、今後の問題ですが、私は川崎市内の方から伺いましたのは、市内には、マイクロエレクトロニクスセンターや半導体技術センターなど、重要な東芝の部門がある、さらに関連グループ会社や協力会社も多い、一体どういう影響があるのか、大変心配の声が上がっている。そういう点では、ぜひ雇用対策本部を立ち上げる必要があるんじゃないかという声が上がっているんです。
 大きく言ってこの二つの点について、どのような対策をとるのか、伺います。
坂根政府参考人 お答えいたします。
 まず、東芝という個々の企業についてのお話でございますけれども、個々の企業の経営に係りますことですので、一般論としてお答えをしたいと思います。
 お尋ねの大量雇用変動届あるいは再就職援助計画は、事業所が三十人以上の離職者を発生させる場合に作成し、公共職業安定所長に提出するものであります。
 それらが個別の企業から提出されているかどうかについては、今申し上げましたとおり、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 また、私どもも、労働市場分析レポートという形で、再就職援助計画の対象者について調査をしたことがあります。これは我が国全体の雇用動向を把握する観点からの調査でありまして、今後も同様の調査を行うかどうかについては、必要に応じて判断をしていきたいと考えております。
 また、労働移動支援助成金の支給実績、これも全国の一般的な状況を申し上げたいと思います。
 この助成金は、再就職援助計画の対象となった方々の再就職支援を目的とする助成金でございます。その活用による再就職の実績を申し上げますと、平成二十七年度は、大企業が三千百七十五人、中小企業が千三百二十人の計四千四百九十五人を対象としております。また、平成二十八年度、今年度でありますが、十月末までの数字を申し上げますと、大企業が千八百五十八人、中小企業が千一人の計二千八百五十九人となっているところでございます。
 最後に、雇用対策本部について申し上げます。
 この本部につきましては、雇用調整の規模が大きく、地域経済あるいは雇用への影響が懸念される場合に、必要に応じて地方公共団体あるいは地域の関係団体と連携しながら設置し、離職された方々への再就職支援を行っているものでございます。
 引き続き、こうした取り組みを通じて、事業規模の縮小を余儀なくされた企業の労働者の再就職支援に努めてまいりたいと考えております。
畑野分科員 二〇一三年の厚生労働省職業安定局の通知の中でも、雇用対策本部の役割について書かれていますけれども、的確な情報収集を行う、そうしたことを報道機関等に適切にやはり発表するんだということが言われているわけですね。ですから、この間のことについても、今後のことについても、やはり住民が、国民が知りたいということについてはきちっと今後発表していくべきだということを私は申し上げておきたいと思うんです。深刻な問題が起こっているということです。
 さらに伺いたいのは、定年退職にかかわることなんですが、高齢者等の雇用の安定等に関する法律というのがあります。労働者、国民の平均寿命や健康寿命が延びて、年金支給年齢を引き上げたことに対応して、年金支給までの間に労働者の暮らしを支えるために、まともに生活できる賃金が得られる雇用を確保するということでつくられているんです。
 ところが、私が先日伺った例ですけれども、例えば、日立の雇用延長の制度は、六十歳を迎える労働者に対して、それまでどおり週五日を提示される労働者もいるけれども、多くの労働者から伺っているのは、雇用延長はしても週一日もしくは二日しかない、どうしたらいいかと。やめるか、一日でも働くか、そういう選択を迫られて、結局、退職を余儀なくされているという状況なんですね。
 このような労働条件というのでは、やはり、法律の趣旨からいっても、実質的に法令違反になるのではないかというふうに思いますけれども、そういう点では、きちっと生活が安定できるような指導を行うべきだと思いますが、厚生労働省、いかがでしょうか。
坂根政府参考人 まず、基本的な考え方を申し述べます。
 高年齢者雇用安定法に基づく雇用確保措置につきまして、具体的な労働条件は、あくまでも労使の合意で決まるものと考えております。ただ一方で、その際、企業は、私どもの指針等にも書いておりますけれども、合理的な裁量の範囲の条件を示す必要があると考えております。
 具体的には、継続雇用されている高年齢者の就業の実態、生活の安定等を考慮し、適切なものとなるよう努めるという、この法律に基づく指針の中身、内容を踏まえたものであることが必要であると考えております。
 継続雇用時の労働条件の提示に当たりましては、各企業においてこうした指針の趣旨を適切に踏まえていただくとともに、労働契約の締結時に当事者間でよく話し合っていただくよう、今後とも、都道府県の労働局あるいはハローワークを通じまして、周知や指導助言に努めてまいりたいと考えております。
畑野分科員 一方的に決まるということではなくて、労使の合意、労働者の意見もよく踏まえるということで、確認をいたしました。
 次に、鉄鋼業での労働災害死亡事故の問題です。働き続けるという点では、本当にこうした事故のない職場環境にしていくことが喫緊の課題です。
 鉄鋼業で、昨年一月から二月に労働災害死亡事故が六件連続して発生して、腐食した設備のもと転落死をするという痛ましい事故も、川崎市でも全国でもありました。
 昨年のこの二月の分科会で、私、経済産業大臣に質問をさせていただきまして、大臣からも、本日午前にも厚労省とともに鉄鋼各社に対して速やかに対策を講じるように指示をした、半年以内をめどに実施報告を提出するように指示を行いましたと約束をしていただきました。その実施報告について、どのようになっているか伺います。
佐藤政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、昨年二月二十五日の予算委員会においてお答え申し上げたように、当省では二月十七日、日本鉄鋼連盟に対して、屋外や厳しい環境下に置かれている機械設備の周辺、通路などを含め、従業員が立ち入る全ての場所の安全性を確認することを要請したところでございます。
 また、二月二十五日には、厚生労働省とともに、鉄鋼各社に対して、安全性を確認した結果、安全対策を講じる必要がある箇所については速やかに対策を講じ、半年以内をめどに実施報告を提出するように指示を行ったところでございます。
 これらを踏まえ、日本鉄鋼連盟からは昨年九月に報告があったところですが、その内容としては、まず第一に、二月二十五日付で鉄鋼連盟から会員各社に緊急要請文を発出し、安全管理体制の再確認及び墜落、転落災害防止対策の徹底を要請したということ、第二に、当省が要請を行った以降に会員各社が緊急的に実施した安全対策についての情報収集及び共有を行ったということ、第三に、七月十五日に厚生労働省が鉄鋼各社に対して安全管理体制の分析結果を公表しましたが、日本鉄鋼連盟として、その結果を会員各社に対して速やかに各事業所に周知徹底するように要請したというところでございます。
 なお、日本鉄鋼連盟は、九月に当省に対して実施報告を行った後にも、安全管理対策及び経年設備について必要な対策を進めております。
 具体的には、安全管理体制については、厚生労働省の分析を踏まえ、まずは会員企業の安全衛生教育や作業マニュアルの作成、遵守状況、機械等の更新について確認を行うとともに、必要な見直しを要請いたしました。また、今後の取り組みとして、事業所のトップから現場第一線までの安全意識のさらなる向上、リスクアセスメントのレベルの向上、非定常作業の手順の明確化、さらには協力会社との連携強化等の方策について進める予定としております。
 経年設備についてでございますが、厚生労働省が十二月二十二日に行った分析結果を踏まえ、会員企業に対して、計画的な設備の更新、優先順位を踏まえた設備の定期的な点検、補修等の必要な対策を講じるように促すとともに、その実施をフォローアップしていくということにしてございます。
畑野分科員 今後どのように進められるのか、特に推進の方向についてあれば、お答えください。
佐藤政府参考人 今の答弁の繰り返しになりますけれども、実は、九月以降に進めておるこの安全管理対策それから経年設備の対策については、現在進行中でございますので、これをしっかりと進め、また、そのフォローアップをしていくということになるかと思っております。
畑野分科員 厚生労働省の方からもお願いします。
田中政府参考人 お答えいたします。
 厚生労働省では、昨年初頭に鉄鋼業で死亡災害が相次いだということを受けまして、昨年二月に全国の鉄鋼事業者に対し、安全管理の強化、それから高経年設備への対策を促すための自主点検の実施を要請しました。
 この自主点検を踏まえ、昨年七月に業界団体に対して、しっかり事業場のトップの方々が指示をして安全対策に取り組むよう要請しました。また、十二月には、高経年設備に対する自主点検の分析結果を私どもは公表しまして、それに基づく計画的な設備の更新といったものを優先順位をつけてしっかりやっていただくように促してきております。
 今後とも、経済産業省としっかり連携しつつ、引き続き鉄鋼業の労災防止に努めてまいりたいと考えております。
畑野分科員 昨年は、前年を上回る十三人の労働災害死亡事故が起きているんですね。もう二度とこういうことがないように、しっかりとやっていただきたいと思います。
 あわせて、建設アスベストの被害についてです。
 アスベストを吸い込んで肺がんや中皮腫を発症したということで、建設労働者の皆さん、職人の皆さん、遺族の皆さんが国と建材メーカーを相手に損害賠償を求めた訴訟では、十四日、札幌地裁は国に対する賠償を命ずる判決を言い渡しております。南は福岡、北は北海道まで、五たび国の責任が断罪された地裁の結果です。もう被害は確実、国の責任は揺るぎないものになったわけです。
 判決文の中で、国だけではなく建材メーカー、建設関連企業も一緒に、建設作業員がこうむった被害を補填するために何らかの制度を創設する必要がある、立法府及び行政府の政策判断を待つしかない、このように言っているわけです。
 もう国が動くときではないでしょうか。国と企業が、被害に遭われた方を救済するために、何らかの制度、すなわち基金制度を創設すべきではないかと思いますが、いかがですか。
田中政府参考人 お答えいたします。
 建設作業従事者のアスベスト被害につきましては、現在、国及び建材メーカーを被告とする複数の訴訟が係争中でありますので、国の主張は引き続き裁判の中で明らかにしていくことといたしております。
 石綿による健康被害に遭われた方々に対しては、現在、労災保険制度や石綿健康被害救済法に基づく給付制度などに基づき救済を図っているところであり、こうした制度の的確な運用を図ってまいります。
 厚生労働省としては、引き続きしっかりとこれらの対策に取り組んでまいりたいと考えております。
畑野分科員 だめですよね。今ある制度はもちろんなんです。しかし、国と企業が責任をきちんと認めて、謝って、そして、裁判によらずに補償していく、そのことが、二度と被害者を出さない、アスベスト被害は根絶していくという国の本気の姿勢を示すことになるわけです。
 全国建設アスベスト訴訟の本人原告六百六十八人のうち、半数以上がもう亡くなっているんです。待ったなしだということで、対応を私は求めたいと思います。
 こうした建設労働者の皆さんが健康をどういうふうに保持していくかということで、昨年十二月、臨時国会で、建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律が全会一致で可決、成立いたしました。この点について、基本計画の策定が義務づけられていますが、専門家会議なども設置されて、これは、現場労働者の声も聞いて実効性ある計画にするべきだ、全建総連などもそういう声を上げているわけですが、この点についていかがでしょうか。
木原政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねの、法律第八条に定める、政府が策定する建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画、すなわち基本計画につきましては、厚生労働大臣及び国土交通大臣が関係行政機関の長に協議した上で基本計画の案を作成し、閣議決定を求めることとなっております。また、法の第十五条では、関係行政機関相互の調整を行う建設工事従事者安全健康確保推進会議、及び建設工事従事者の安全及び健康の確保に関し専門的知識を有する方々によって構成される建設工事従事者安全健康確保推進専門家会議を設置することが求められております。
 基本計画につきましては、このような場を通じ、現場労働者のお声も含めて建設業に従事される方々や専門家の御意見をお伺いしながら作成していきたいと考えております。
畑野分科員 そこで、高市大臣に伺いたいんですが、基本計画の策定は、都道府県に対しては努めるというふうになっております。建設産業は地域性のある産業で、やはり、地域の実態に即した実効性のある計画にしていくためにも、都道府県で策定をしていくように働きかけていくことが必要ではないかと思いますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
高市国務大臣 この法律には私自身も大変思い入れがございます。建設現場で働いておられる職人の方々が、もう何年も前になりますけれども、自分たちの安全を、健康を確保するために法整備が必要だということで立ち上がられて、まだ一国会議員の立場として、勉強会の段階から参加をしてまいりました。
 昨年の十二月にこの法律が成立して公布となりましたので、早速、総務省、大臣室でも指示を出しまして、既に、ことしの一月、二月にかけて全国十ブロックで開いておりますブロック会議でも、法の趣旨の説明を行ってきています。さらに、近いうちに、文書で改めて地方公共団体への周知徹底、協力依頼も行います。
 都道府県における計画策定の取り組みをしっかりと促して、実効性のあるものにしていきたいと思っております。
畑野分科員 ぜひ進めていただきたいと思います。
 最後に、ホームドアのことについて一つだけ聞かせてください。
 中間取りまとめが出ましたけれども、川崎市内のホームドアの設置計画について、武蔵小杉でどのようにするのか、横須賀線についてどうするのか、南武線についてどうするのか、そこだけ伺いたいんです。
 つまり、今、超高層マンションが建って、本当にまちづくりが大変になっているんです。またこれは今後時間があるときに質問したいと思いますが、その点についてだけ伺って、質問を終わります。
武藤主査 申し合わせの時間が来ていますので、簡潔にお願いします。
潮崎政府参考人 ただいまの御質問ですが、武蔵小杉の駅につきましては、二十一年度末に横須賀線の駅が開設されて以来、利用者が増加しておりまして、駅の混雑の緩和が課題となっているということは私どもも認識をしております。
 ホームドアの設置についてでございますが、現在、川崎の市内、東急の駅を中心についているところがあって、今後の計画がございますけれども、今後、JR東日本では、川崎駅にはつけるという計画が明らかになってございますが、武蔵小杉については今現在まだ計画はございません。
 南武線につきましては、今後、新しい車両が入ってまいりますので、その車両に統一をされるという過程について、設置に向けた検討がなされるものと私どもは考えておりますが、横須賀線のホームは、御承知のとおり、後からつくったホームで、周辺の土地の状況や構造的に極めて制約の高い状況になってございますのと、また、複数の特急、タイプの異なる特急の車両を含め、横須賀線も編成が違う車両が発着するということで、なかなか直ちにホームドアの設置というのが見通せない状況になっております。
 そうした中で、東日本でも、平日の最も混雑する時間帯に、駅員や警備員の配置を充実させるとか、あるいは少しでも被害を軽減させるために、非常通報装置、それからそれに加えまして転落検知マットの設置などを行っているところでございます。
 私どももこれは重要なテーマであると考えておりますので、引き続き、人的対応の充実を図るとともに、少しでも何らかの方策ができないか検討を行って、最大限の取り組みを促してまいりたいと考えております。
畑野分科員 終わります。