第190回国会 2016年1月13日法務委員会

夫婦別姓 国会議論を/法務委員会

 日本共産党の畑野君枝議員は1月13日の衆院法務委員会で、選択的夫婦別姓制度の実現に向けて国会で本格的な議論を始めるべきだと求めました。

 畑野氏は、夫婦同姓の強制は違憲だと女性たちが国家賠償を求めた裁判で、昨年12月16日の最高裁判所判決は「国会で論じられ、判断されるべき」だと述べたことを紹介し、「政府としてどのように取り組みをすすめるのか」とただしました。

 岩城光英法相は「国会の動向を注視しながら検討する」と述べるにとどまり、外務省の下川眞樹太審議官は、国連の女性差別撤廃委員会が選択的夫婦別姓制度を採用する民法改正に早急な対策を講じるよう政府に勧告したと答弁しました。

 畑野氏は、統計調査でこの20年間、婚姻後に「夫の氏」にした女性が96%以上もいると指摘し、「自由な話し合いによる合意がなされたのか調査をしたのか」と追及。厚労省の担当者は「調査していない」と答えました。

 また、畑野氏が通称使用の不利益について調査したかと質問すると、内閣府は「結婚により姓を変えた場合、仕事上、何らかの不便を感じている」が半数に上るとの世論調査結果を示しました。

 畑野氏は、免許証や健康保険証の通称使用は認められないなど、通称使用拡大では解決できず、人権問題として取り組むべきだと強調。「当委員会で選択的夫婦別姓を議論する場を設置して国民の期待に応えるべきだ」と要求しました。

 畑野氏が、最高裁の違憲判決を受けた再婚禁止期間の法制見直しをただちに行うよう求めたのに対し、岩城法相は「必要な法案を今国会へ提出したい」と答弁しました。

( 「しんぶん赤旗」2016年1月18日付け)

 

【会議録】

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部改正案及び検察官の俸給等に関する法律の一部改正案について、司法の独立の観点から、身分保障することは当然であり、賛成するものですが、裁判官、検察官の報酬体系と一般職の給与体系との違いについて伺います。
萩本政府参考人 今、司法の独立という御指摘がございましたが、裁判官につきましては、憲法上、司法権の独立の観点から、裁判官の職権の独立を実効あらしめるため、「裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。」と定められ、その身分保障が図られております。これを受けまして、一般の政府職員と異なる独自の給与体系が定められているものでございます。
 検察官につきましても、司法権の発動を促し、その適正、円滑な運営を図る上で極めて重大な職責を有するものであり、また、原則として裁判官と同一の試験及び養成方法を経て任用されるなど、裁判官に準ずる性格を有していることから、他の一般職の国家公務員とは別に、裁判官の報酬月額に準じて定めるべきものとされているものでございます。
畑野委員 司法の独立という点でお話がありました。そうであるならば、裁判所の職員の増員と待遇の改善も同時に進めるべきだと思います。
 家庭裁判所の調査官の異動先について、夫婦同居も含め、仕事と家庭の両立のためさまざまな努力を最大限すると、昨年四月、清水忠史議員に答弁されました。
 どのような改善が図られたのか、今後も答弁の立場で対応するのか、伺います。
堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 平成二十七年四月十五日の当委員会におきまして答弁させていただきましたとおり、仕事と家庭生活の両立のため、さまざまな努力を最大限してまいりたいと考えているところでございます。
 職員個々の希望や、育児、介護といった家庭事情等を一層きめ細かく把握するように努めておりまして、今後とも、こうした諸事情に可能な限り配慮した異動を実施してまいりたいというふうに考えております。
畑野委員 きめ細やかにという話がありました。ぜひ、現場の声をよく聞いて、引き続き対応をしっかりしていただきたいと思います。
 さて、本日の委員会の冒頭に、最高裁大法廷における判決の参考送付がされました。夫婦同氏の強制と、女性だけに離婚後六カ月の再婚禁止期間を課した民法についての最高裁の判決が、昨年、二〇一五年十二月十六日にありました。
 これまで政府が、一九九六年の法務省法制審議会による民法改正答申後も、民法改正を求める国民や女性の声と運動を無視して法改正を棚上げし続ける中で、原告の皆さんは、やむにやまれぬ思いで裁判に訴えられたのであります。
 判決は、百日を超える再婚禁止期間は違憲としたものの、夫婦同氏については、氏の変更を強制されない自由は憲法上の権利として保障される人格権の一内容とは言えない、どちらの姓にするかは合意に委ねており、形式的な不平等が存在するわけではない、家族の呼称を一つに定めることには合理性があるなどとして、合憲と判断し、訴えを退けました。
 これに対して、日弁連会長声明は次のように指摘しております。
 「五名の裁判官(三名の女性裁判官全員を含む。)が、民法第七百五十条は憲法第二十四条に違反するとの意見を述べた。」「夫婦同氏の強制によって個人識別機能に対する支障や自己喪失感等の負担がほぼ妻に生じていることを指摘し、その要因として、女性の社会的経済的な立場の弱さや家庭生活における立場の弱さと、事実上の圧力など様々なものがあることに触れており、夫婦同氏の強制が個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した制度とはいえないと説示している。」さらに、「夫婦同氏の強制は、憲法第二十四条にいう個人の尊厳と両性の本質的平等に違反すると説示し、「家族の中での一員であることの実感、夫婦親子であることの実感は、同氏であることによって生まれているのだろうか」と疑問を投げかけている。」
 私も、最高裁大法廷を傍聴し、その場で判決を聞き、強い憤りを覚えた一人です。
 一方で、最高裁判決は、制度のあり方については、国会で論じられ判断されるべき事柄として国会の議論に委ねました。
 ここで岩城法務大臣に伺いたいんですが、十二月十六日の最高裁判決に基づいて、選択的夫婦別姓制度について政府として今後どのように取り組みを進めていくのか、この間の政府の取り組みの経緯と、国会で論じられ判断されるべきということへの責任をどう果たしていかれるつもりなのか、伺います。
岩城国務大臣 選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、畑野委員からお話がありましたとおり、平成八年に、法務大臣の諮問機関である法制審議会から答申を得ています。そこで、法務省は、平成八年及び平成二十二年に、法案の提出に向け、その法制審議会の答申を踏まえた改正案を準備いたしました。
 しかしながら、この問題につきましては、国民の間にさまざまな御意見があったほか、与党内においても異論があったことなどから、改正法案の提出にまでは至らなかったものであります。
 他方、先ほどお話がありましたとおり、最高裁判決において、選択的夫婦別氏制度の導入の是非については国会で論ぜられ判断されるべき事項であるということの指摘がなされました。
 私としましては、最高裁判決における指摘を踏まえ、まずは、国会における議論の動向を注視しながら慎重に対応を検討してまいりたいと考えております。
畑野委員 今、岩城大臣からのお答えにありましたように、法制審の答申から二十年経過しているんですね。もう慎重に、慎重過ぎるぐらいやっているんじゃないでしょうか。ですから、これは、本当に、慎重というお言葉は次に伺うときにはぜひ外していただいて、国会の議論ということであれば、政府を先頭に法務大臣がやっていただきたいというふうに思います。
 実際、国民的な意見の動向を見ますと、本当に変化がございます。最近の報道等の調査でも賛成が反対を上回っていますし、それから、政府の二〇一二年の調査でも、人口補正をしますと賛成が反対を上回っていたということが明らかになりました。それから、家族の名字が違っても家族の一体感には影響がないと答えた人は六割に及んでおります。
 先ほど言った二〇一二年の内閣府の調査で、特に二十代の女性は、別姓容認が五三・三%、反対は一六・一%と、若い世代で賛成がふえている。十八歳選挙権も始まろうという時代でございます。
 さて、現在、林陽子弁護士が委員長を務める国連女性差別撤廃委員会は、二〇〇三年の第四回、五回報告審査の総括所見で選択的夫婦別姓導入などの改正を勧告し、さらに、二〇〇九年の第六回報告審査の総括所見でも同様の勧告をしました。加えて、フォローアップ報告の対象にしております。
 外務省に伺いますが、二〇〇九年の女性差別撤廃委員会の総括所見十八について伺います。
下川政府参考人 前回の政府報告審査におけます女子差別撤廃委員会の最終見解パラ十八の内容は、以下のとおりでございます。
  委員会は、男女共に婚姻適齢を十八歳に設定すること、女性のみに課せられている六カ月の再婚禁止期間を廃止すること、及び選択的夫婦別氏制度を採用することを内容とする民法改正のために早急な対策を講じるよう締約国に要請する。さらに、嫡出でない子とその母親に対する民法及び戸籍法の差別的規定を撤廃するよう締約国に要請する。委員会は、本条約の批准による締約国の義務は、世論調査の結果のみに依存するのではなく、本条約は締約国の国内法体制の一部であることから、本条約の規定に沿うように国内法を整備するという義務に基づくべきであることを指摘する。
 以上でございます。
畑野委員 そして、今度の二月に第七回、第八回日本政府報告審査が行われるということですが、それでは、選択的夫婦別姓についてどのような態度で臨まれますか。
岩城国務大臣 本年の二月に政府報告審査が行われるわけであります。そこで、我が国は、今、外務省から答弁がありましたとおり、女子差別撤廃委員会から、選択的夫婦別氏制度の採用等を内容とする民法改正のために早急な対策を講じるよう勧告を受けております。
 この勧告は、我が国が選択的夫婦別氏制度の導入等の民法改正を行わないことが条約に違反しているとの解釈を前提にしているようにも読めますが、我が国としては、民法改正を行わないことが条約に違反するものではない、このように認識をしております。
 この選択的夫婦別氏制度の導入の問題は、我が国の家族のあり方に深くかかわるものであり、国民の皆様方の間にもさまざまな意見があります。したがいまして、国会における議論の動向も踏まえながら、慎重に対応を検討する必要があると考えております。
 御指摘の審査に対しては、このような我が国の立場や状況について十分な説明をし、理解が得られるよう適切に対処してまいりたいと考えております。
畑野委員 ダブルスタンダードは困るんですね。
 つまり、既に政府は、女性差別撤廃条約実施状況の第七回、第八回報告できちっと言っております、選択的夫婦別氏制度の導入及び再婚禁止期間の短縮に係る民法改正について、「引き続き法案の提出に向けて努力する必要がある」と。ですから、これはずっと生きているんです。それはよろしいですね、大臣。
 大臣、それでいいですね。そういうふうに言っているんですから。
小川(秀)政府参考人 ただいま委員から御指摘ありましたように、この第七回、第八回の政府報告の中には、男女共同参画会議監視専門調査会の意見として、これは非嫡出子に関するものでございますが、「今般の民法改正法案にとどまらず、婚姻適齢の男女統一、選択的夫婦別氏制度の導入及び再婚禁止期間の短縮に係る民法改正及び出生届の記載事項に係る戸籍法の改正について、引き続き法案の提出に向けて努力する必要があるとした。」ということでございまして、これは、専門調査会としての御意見としてこういうものが出されたということで、先ほど来大臣が答弁しておりますのは、法務省の立場としての考え方でございます。
畑野委員 ですから、国としても、民法を最も担当するのは法務大臣ですから、そういうことをきちっと打ち合わせもして、よく議論もして、ちゃんとまとめてやっていただきたいということを申し上げておきたいんです。
 それで、これまで最高裁判決は、氏名は人が個人として尊重される基礎であり、その個人の人格の象徴であって、人格権の一内容を構成するものと判断してきました。
 ところが、今回、最高裁判決は、氏の変更を強制されない自由は、憲法上の権利として保障される人格権の一内容とは言えない、どちらの姓にするかは合意に委ねており、形式的な不平等が存在するわけではないと言っております。
 現状は本当に自由な話し合いによる合意が行われているのかということだと思います。
 この点でまず伺いたいのは、女性が結婚した際、夫の姓を名乗っている割合について、この間の状況について厚生労働省に伺います。資料一をつくっていただきました。御説明ください。
小川(誠)政府参考人 お答え申し上げます。
 平成二十六年の人口動態統計によりますと、平成二十六年に婚姻届のあった夫婦のうち、夫の氏を選択した夫婦は九六・一%となっており、この二十年間で見るとわずかに減少しております。
畑野委員 資料の一を出していただいたんですが、一九九五年、夫の氏を選んだのは九七・四%、二〇一四年、九六・一%。資料を皆さん見ていただくように、ずっと九七%から九六%と、若干は減っているけれども、ほとんど変わらないで、あらかた九割以上ということでよろしいですか。
小川(誠)政府参考人 委員御指摘のとおりでございます。
畑野委員 つまり、ほとんど変わらない、高どまりしているということですよね。
 それで、これが自由な話し合いによる合意の結果であるかということが問われると思いますが、そこについての調査はされていますか。
小川(誠)政府参考人 お答え申し上げます。
 夫婦間においてどのような経緯で夫または妻の氏を選択したかについては、厚生労働省では調査を行っておりません。
畑野委員 ですから、これは調べていないと。でも、実態は、一九九五年は九七・四%が夫の氏、二〇〇五年も九六・三%が夫の氏、そして二〇一四年も夫の氏が九六・一%という状況ですね。
 ですから、形式的にはどちらの姓を名乗ることもできるので、差別には当たらないかのように見えますけれども、結果としては、長期間にわたって多くの女性が、結婚する際、夫の姓を名乗っている。この不平等な結果を見れば、間接的に女性が差別されていると言わなくてはなりません。夫か妻のどちらかの姓を選択する制度なので女性差別に当たらないという主張は通用しないと思います。
 今回の最高裁判決も、改姓、氏を変えることによるアイデンティティーの喪失感や、社会的信用などの維持が困難になるなどの不利益は、主に女性が受けることだと認めました。しかし一方で、通称使用により不利益が一定緩和されるなどとしております。
 そこで伺いますが、通称使用の不利益について、どのような調査をされていますか。
大塚政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねの件でございますが、まず、平成二十四年に内閣府の政府広報室が、先ほど委員もお触れになりました家族の法制に関する世論調査、この調査をやっておりまして、その中で、まず、結婚により姓を変えた場合に仕事上で何らかの不便を生ずると回答した方が約半数いらっしゃいまして、さらにその中の六割の方が、不便を生じないようにした方がいいと回答され、またさらにそのうちの四割の方が、通称使用できてもそれだけでは対処し切れない不便があると思うというふうに回答されていらっしゃる、そういう結果となっております。
 それからもう一つ、これは平成十三年ということで、今から十五年ほど前になるわけでございますが、男女共同参画会議の基本問題専門調査会が、選択的夫婦別氏制度が導入されていないことによる不利益につきまして、体験、事例というものを広く募集いたしました。その際、通称使用につきまして、戸籍名と通称名の使い分けにより、本人のみならず、周囲、社会も混乱するといった事例が寄せられたところでございます。
畑野委員 そのことの最後の言葉、資料の二にもつけさせていただきました。内閣府の調査ということですね。
 通称使用というのは、本当に皆さん苦労されているんです。通称使用の制度がなかった会社で、結婚と同時に申し出をしたところ、会社が受けてくれて、その後も後輩が通称使用をするということで後に続いたんですが、ある日突然会社から通称使用は認めないという通達が出されて、人事部長からも呼び出しがあり、混乱と苦痛を経験しました、その後転職した職場でも通称使用の制度がなかったために、つくっていただくようにお願いしたと。本当にたくさんの方が、そうやって個人の苦労と努力で切り開いてきているんですね。本当に、職場の上司、あるいは国でいえば制度を所管する省庁に勇気を持って働きかけてこられた個々の皆さんの努力によってこれは実現されてきた。
 今回、不当判決と皆さん言っておられますが、これまで声を上げてこなかった方も、この判決は認められないと声を上げている。つまり、通称使用の拡大だけでは問題は解決しないということだと思うんです。
 大体、この問題は人権問題です。それを個人の良心や努力に委ねてよしとすること自身が間違っているんじゃないでしょうか。
 その上で、職場で通称が認められたとしても、給与や社会保険や税などは戸籍名が求められます。通称を使えない場面もたくさんある。新しく開設する銀行口座、健康保険証、運転免許証などでは通称は使えません。
 そういう点で、岩城大臣に伺いますが、通称使用によって女性の不利益が解消されていないという実態を御認識していらっしゃるでしょうか。
岩城国務大臣 先ほど来の議論の中にもありましたとおり、職場等において最近旧姓の通称使用が広く認められつつあり、社会生活における旧姓の通称使用は以前よりも進んできているとは思っております。ただ、具体的な実態調査はしていないものの、通称使用がいまだ認められないために女性が不便を強いられている場面も少なくないものと認識をしております。
 したがいまして、こうした社会生活上の不便を解消すべく、国、地方、企業などがそれぞれの部門において旧姓の通称使用を拡大するための措置を講じていく必要があるものと考えております。
 法務省では、このような措置の一環として、商業登記簿の役員欄に、戸籍名に加えて婚姻前の氏をも併記することを可能とする旨の商業登記規則等の改正を行い、昨年二月二十七日から施行しております。
 今後、旧姓の通称使用をさらに広く認めるための措置としてどのようなものが考えられるか、関係省庁と協議しながら検討してまいりたいと考えております。
畑野委員 通称使用の拡大というふうにおっしゃったんですが、それだけでは解決できない根本問題があるということを私は申し上げたんですね。
 例えば、ある会社では、突然、業務の簡素化のために組織図、メールアドレス、名刺、社員証について戸籍上の姓を使用することで統一させていただきますと通達されて大混乱したことがあると。こういうことは繰り返されるわけですよ、その場その場の状況によって。上司がかわっただけで変わるという会社もあるわけです。
 ですから、今回の最高裁の判決に林陽子国連女性差別撤廃委員長からも、古色蒼然で残念、裁判官の多数意見は平等概念を形式的に捉えている、通称使用で緩和されると言うが、そうせざるを得ない実質的不平等を踏まえて判断すべきだったなどの批判が上がっている。本当に、大臣を先頭にこういう現場の苦労をさらによくつかんで、きちっとした対応をしていただきたいと思うんです。
 それで、選択的夫婦別姓制度の導入は、私は、国民の選択肢を広げるものだと思います。国民全体に夫婦別姓を強制するものではありません。それによって利益を損なわれる人はいない、こういう立場で民法改正を政府の責任として行うべきではないかと強く申し上げたいと思いますが、岩城大臣、いかがですか。
岩城国務大臣 仮に選択的夫婦別氏制度を導入した場合には、夫婦の双方が婚姻後もみずからの氏を称することができるという新たな選択肢が設けられることに当然なります。もっとも、選択的夫婦別氏制度を導入した場合には、その夫婦の間の子が必ず夫婦の一方と異なる氏を称することになるなど、我が国の家族のあり方に大きな影響を及ぼすことが予想もされます。
 この問題は、我が国の家族のあり方に深くかかわるものであり、国民の間にもさまざまな御意見があることから、それらを踏まえて慎重に検討する必要があるものと考えております。
畑野委員 親子で名字が違う、あるいは兄弟で違うという人たちも出てきているんですね。でも、それはそれで特に違和感はない、そういう声も上がっているんです。ですから、そういうのもぜひ聞いていただきたいと思います。
 そこで、委員長に提案なんですが、葉梨委員長、ぜひ、この委員会で選択的夫婦別姓について議論する場を設けていただいて国民の期待に応えていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
葉梨委員長 ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
畑野委員 ぜひお願いします。
 次に、女性にだけ課せられた離婚後六カ月の再婚禁止期間について伺います。
 同じく二〇一五年十二月十六日の最高裁判決で、百日を超える期間については違憲との判決を受けました。民法そのものを直ちに改正すべきだと思いますが、岩城大臣、いかがですか。
岩城国務大臣 再婚禁止期間を定める民法の規定につきましては、違憲立法審査権を有する最高裁判所において憲法に違反する旨の判断が示されたのでありますので、速やかに違憲状態を解消する措置を講ずる必要があるもの、そう考えております。
 そこで、現在、法務省において、最高裁判所の判決の趣旨を十分に踏まえまして、必要な法案を今国会へ提出することを目指して検討を行っております。
畑野委員 ぜひ進めていただきたいと思います。
 世界で夫婦同姓を義務づけている国は日本だけです。私、この委員会で質問させていただきました。再婚禁止期間も多くの国で撤廃をしています。今回合憲とされた百日についても、二人の裁判官は違憲との意見を出しております。
 ことしは、女性参政権行使から七十年。政府は、個人の尊厳、両性の平等など憲法の精神と国連女性差別撤廃条約の立場に立って、ぜひ国民や女性たちの願いと運動を真摯に受けとめて改正に着手をしていただきたいと思います。
 最後に、きのう、性暴力被害の実態に即した刑法の見直しを求める院内集会が開かれまして、私も参加をしてまいりました。性暴力の被害者に寄り添った刑法の見直しの議論を行うために、法制審議会の部会で被害者や支援者のヒアリングを行うことが必要不可欠と考えますが、大臣、いかがでしょうか。
岩城国務大臣 性犯罪被害者等のヒアリングにつきましては、法務省において開催しました性犯罪の罰則に関する検討会において実施はしております。この検討会のヒアリングの結果は、法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会においても資料とされていると承知しております。
 これに加えて法制審議会の部会でさらにヒアリングを行うかどうか、これはあくまでも部会において判断されるべきものと考えております。
畑野委員 きのうの院内集会の状況や、また、きょうの審議も含めてぜひお伝えいただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。