若者悲鳴 1000万円借金も

共産党 学費半減、給付奨学金に

「夫も奨学金を返済しています。私もパートで1日7時間働いて必死で返済していますが、滞納してしまうこともあります。子どもにかけられるお金も厳しくなり、新たな子どもは諦めました」

 奨学金の返済に苦しむ若者から、奨学金問題対策全国会議に寄せられた言葉です。

 「奨学金が増えていくのが怖くて、アルバイトを増やすと授業もままならなくなり、大学をやめました」という学生や、就職したものの病気になり、「最長10年間の減額を毎年申請しても(返済完了には)54歳までかかる。とても結婚や出産は考えられない」という悲痛な声が絶えません。

交付金の削減

 日本は、大学の学費が世界有数の高さなのに、返還しなくていい給付奨学金がない異常な国となっています。平均で300万円、大学院進学では多いと1000万円を超える借金を背負わされます。

 高学費は、国立大学運営費交付金が法人化後の12年間で1470億円も削減されるなど、国立大への交付金や私大への私学助成の削減が背景にあります。さらに財務省は昨年、国立大の交付金をさらに削減する方針を示し、現在年間53万円の授業料が15年後に93万円になる危険があるとして大問題になりました。

 日本共産党は「国立大運営費交付金の削減をやめて元に戻すべきだ」(畑野君枝衆院議員)と政府を追及。「学費はあまりに高く、自助努力の限界を超えている」(田村智子参院議員)として給付制奨学金の実現を求めてきました。

 世論や国会論戦に押されて安倍政権は「給付型奨学金の創設に向けて検討を進める」(1億総活躍プラン)と掲げるようになりました。しかし、導入時期も内容も不明です。来年度から導入する所得連動返還型奨学金は、収入ゼロの人からも返済を迫るものです。国立大の交付金についても「自己収入を増やしていただくよう交付金の改革を進めていきたい」(安倍首相)と、削減方針を撤回していません。

既卒者減免も

 日本共産党は、国立大への運営費交付金や私学助成を増やして、年53万円の国立大授業料と年平均86万円の私大授業料を「10年後に半分に引き下げる」と提唱。月額3万円の給付型奨学金を、奨学金受給者の半分にあたる70万人規模で創設することや、すべての奨学金の無利子化、既卒者の減免制度も掲げています。

 野党の共通政策でも給付奨学金の導入を明記。奨学金債務の減免も打ち出しています。

 日本共産党の街頭宣伝では18歳の青年から「給付制奨学金はいいですね。選挙には行かないと思っていたけど、共産党には期待していいかな」との声が寄せられています。

2016年7月7日(木)  しんぶん赤旗に掲載