日本共産党、民進党、社民党、生活の党の4野党が今国会に共同提出した法案は15本(表)に上ります。安保法制=戦争法廃止、社会保障、子育て、雇用、男女平等、LGBT(性的マイノリティー)差別解消など国政の各分野に及んでおり、参院選に向けて野党の共通政策を豊かにする基盤となっています。

 社会問題になった待機児童解消にむけ、保育士の給与を月額5万円引き上げるのが保育士処遇改善法案です。「保育園落ちたの私だ」と訴えるママ、パパの声を受け止めたものでした。

 日本共産党は、待機児解消の緊急対策を発表し、その中で、認可保育所の増設を原則とした30万人分(約3000カ所)の緊急整備を提案。待機児を少なく見せかける厚労省に対し、田村智子参院議員は「やるべきは数字の操作ではない。認可保育所を整備すべきだ」(3月14日予算委員会)と追及しました。

表:共同提出した法案一覧

 安倍首相は「必ず待機児を解消する」といわざるをえなくなり、「1億総活躍プラン」で保育士の賃上げを盛り込む事態に追い込まれました。

 働くルールの確立を求める全労連、連合、全労協など労働界の一致した要求に応えたのが労働基準法改正案です。盛り込まれた残業時間の法規制や勤務間インターバル(次の勤務までの休息保障)は日本共産党が立法提案で示してきたものです。

 残業代ゼロ法案を提出していた安倍首相は、「残業時間の法規制を検討する」と表明する事態に追い込まれています。

 熊本地震で被災者の住宅再建が焦点になるなか、支援金の最高額を、現行300万円から500万円に引き上げるのが被災者生活再建支援法の改正案です。500万円への引き上げは、日本共産党がいち早く要求してきたもので、被災者に冷たい安倍内閣とは対照的な内容です。

 大学の高学費の問題でも野党の追及に押されて、安倍首相は返済不要の給付型奨学金の創設検討を表明。「1億総活躍プラン」に盛り込む事態となっています。

 日本共産党は、大学授業料を10年で半減、月額3万円の給費奨学金を創設するプランを発表。田村議員を皮切りに、畑野君枝、宮本岳志両衆院議員、山下芳生参院議員が「貧困の次世代への連鎖を断ち切るべきだ」と追及。参院選の野党統一候補となった民進党の桜井充議員(宮城県)は、借金を負わせる現行制度では「若者が夢を持てなくなる」と批判しました。

 

2016年6月2日(木)しんぶん赤旗