衆院法務委員会は22日、違法な働かせ方や人権侵害が問題になっている外国人技能実習制度の実習可能期間や対象職種の拡大に道を開く外国人技能実習法案・入管法改定案について参考人質疑を行いました。日本共産党の畑野君枝議員が質問しました。

 参考人の福島大学の坂本恵教授は、実習生が、いかに最低賃金以下の違法な給与でも、過労死水準を超える残業でも甘受せざるをえない背景の一つには、逃亡防止の目的で徴収された多額の保証金の存在があると指摘。それなのに法案で設置される新たな機構でも根絶を明確に掲げていないのではないかと疑問を呈しました。韓国では制度改正で海外人材の受け入れプロセスが透明化され、保証金が根絶されたことを紹介しました。

 また、外国人技能実習制度の対象職種への介護の追加について「日本人介護職の就労条件を改善せず、外国人を安易な代替とすることはあってはならない」と述べました。

 慶應義塾大学の後藤純一教授は、今の外国人技能実習制度では、「技能移転」による「国際貢献」という建前と「労働力確保という本音がかい離している」と指摘しました。

 実習生に対する人権侵害について畑野氏が尋ねると、神奈川県立保健福祉大学の根本嘉昭名誉教授は「人権侵害の恐れは特に介護ではあると思う」と懸念を示しました。

 また、畑野氏が、実習生が自らの意思で実習先を更新できない問題について尋ねると、坂本氏は「実習生がおびえている中ではまともな習得はできない」と、実習先の変更を制度として保障する必要性に言及しました。

2016年4月26日(火)しんぶん赤旗

 

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