警察による盗聴の拡大や取り調べ過程の可視化の限定などを盛りこむ刑訴法等改悪案が参院法務委員会で実質審議入りした14日、法律家5団体が共催した「反対する法律家・市民・国会議員の集い」が都内でありました。正午に300人が国会前までデモ行進し、参院議員会館で院内集会を実施。「参院で採決に持ち込ませず、廃案にさせる」との意思を確認しました。

 自由法曹団、社会文化法律センター、青年法律家協会弁護士学者合同部会、日本国際法律家協会、日本民主法律家協会が共催。えん罪被害者の桜井昌司さんや、弁護士の山添拓・日本共産党参院東京選挙区予定候補のほか、盗聴法に反対してきた市民団体が参加しました。

 デモでは参加者が「通信の秘密を守れ」「(法案に)抵抗する野党がんばれ」などと訴えました。

 院内集会で発言した小池振一郎弁護士は法案が、捜査機関が取り調べの録画・録音を恣意(しい)的に止められる内容であることを指摘。「自白を強要する場面は見せず、淡々と話しているところだけ法廷に証拠提出すれば、見た人に大きな心理的影響を与える」としてえん罪被害の増加につながると語りました。

 関東学院大学の足立昌勝名誉教授は、法案が盗聴対象とする罪種を現行盗聴法の4から13に大幅拡大する危険性を強調し、「警察は一度手に入れた武器を絶対に離さない。さらに対象を広げようとするだろう」と警告。警察による盗聴被害者である日本共産党の緒方靖夫副委員長は、「政府は『戦争ができる国づくり』と合わせて国民監視の体制をつくろうとしている」と指摘しました。

 日本共産党の畑野君枝衆院議員、社民党の福島瑞穂参院議員があいさつしました。

2016年4月15日(金)しんぶん赤旗