小中一貫 統廃合進む

参考人質疑 畑野議員が質問

写真)参考人に質問する畑野君枝議員=27日、衆院文科委

写真)参考人に質問する畑野君枝議員=27日、衆院文科委

「小中一貫教育」を制度化する学校教育法改定案についての参考人質疑が27日、衆院文部科学委員会で開かれ、和光大学現代人間学部の山本由美教授ら3人が意見陳述しました。

 「小中一貫教育」の実態調査に取り組んでいる山本氏は、制度化には▽一貫校と非一貫校を同一条件で比較した調査がほとんどない▽学力向上、問題行動の減少などと「小中一貫教育」の因果関係が不明▽教育的効果とデメリットの検証が不十分―などの問題点があると指摘。メリットとして挙げられている小中教員の連携は「一貫校にしなくても実現可能だ」と述べました。

 また山本氏は、一貫校の設置が大規模な学校統廃合に用いられている米国・デトロイト市などの例にも触れながら、制度化は「学校統廃合を促進するための方途になる」と指摘。朝日新聞の調査(2013年)では、「学校統廃合の中での計画」が導入理由の1位になっていることを示し、一貫校の設置は「統廃合がメーンの目的になる」と主張しました。

 日本共産党の畑野君枝議員は、一貫校において「小学校高学年の主体性育成」に課題があると指摘されていることについて質問しました。

 山本氏は、小学校高学年で有用感を育み、人格形成の基礎をつくることが、中学校での成長にもつながっていると指摘し、「発達の過程を見ないで(学年段階の区切りを)いじってしまってはいけない」と批判しました。

 

( 「しんぶん赤旗」2015年5月30日(土)付け )