神奈川フィルハーモニー管弦楽団の奏者2人が3日、解雇を不当とした仮処分申し立ての即時抗告を東京高裁が棄却したのを不服とし、解雇撤回を求めて横浜地裁に提訴すると明らかにしました。「杉本さん、布施木さんの解雇を撤回させ神奈川フィルを良くする会」が横浜市中区で開いた集会で発表しました。

 右端はたの君枝氏

申し立てていたのは同管弦楽団のコントラバス奏者をしてた布施木憲次さんと杉本正さんです。県公務公共一般労働組合神奈川フィルハーモニー管弦楽団分会の組合員で、楽団の労働条件や運営、経営の改善に取組んでいました。

楽団は、2012年4月、演奏技術が著しく低い、楽団の品位を汚したなどとして2人を解雇。これに対し解雇に値する問題点はなく、分会の弱体化をねらった不当労働行為だとして、横浜地裁に地位保全と賃金仮払いを求めて申し立てました。地裁が同年12月に棄却したため東京高裁に即時抗告していました。

集会で弁護団の田渕大輔弁護士は、高裁の決定は、地裁判断の核心部分を見直していないと指摘し「結論ありきの手抜き判断だ」と批判。本訴では楽団側主張の問題点を積極的に検証できると述べ「解雇理由が事実でない事は、仲間の組合員や支援の皆さんがだれよりもわかっている。事実を最大の武器にしてたたかいつづける」と話しました。

杉本さんは「裁判では、楽団の経営を何とかしたい思いを生かしたい」と述べました。

布施木さんは「同じようなことが起きないよう、(裁判を通じて)楽団の中を変えたい」と話しました。

日本共産党の、はたの君枝参院神奈川選挙区予定者が駆けつけ、2氏を激励しました。