群馬県や広島・島根両県の上空に設定されている自衛隊訓練空域で米軍機が低空飛行などの危険な訓練を行っている問題で、野田内閣は31日、米軍の垂直離着陸機オスプレイの訓練のために同空域の使用を求められた場合、拒否できないとの考えを示す答弁書を閣議決定しました。

答弁書は、日本共産党の井上哲士参院議員の質問主意書に対するもの。井上氏は同主意書で、群馬県や広島・島根両県などの上空に設定された自衛隊訓練空域で、米軍が、同空域の使用を統制している自衛隊基地と調整した上で訓練を行っていることを指摘。日本政府は今後、オスプレイについても自衛隊訓練空域での訓練を認めるのかとただしました。

これに対し答弁書は、オスプレイの訓練の詳細を政府として承知しておらず、同機が自衛隊訓練空域を使用するかしないかを回答することは困難との無責任な姿勢を示しました。

一方で「自衛隊が使用している訓練/試験空域は、自衛隊が排他的に使用することを認められたものではなく、自衛隊は、米軍が当該空域を使用することについて『認める』か否かを判断する立場にない」と表明。

さらに、米軍との「調整」についても「米軍が希望する使用日時を把握することは可能」だが、「自衛隊は、特定の日時における米軍の空域使用について『認め』るか否かを判断する立場にはない」と重ねて述べ、オスプレイの訓練のために空域使用を求められた場合、拒否できないとの考えを示しました。

さらに、訓練の日時を関係自治体に事前通報することも「米軍との関係もあり、事前に公表していない」とし、通報する考えがないことを明らかにしました。

はたの氏は「政府は配備を『安保条約上の権利』と言いますが、それならば憲法の平和的生存権を脅かす安保条約の是非が問われてきます。8月5日を基地撤去への歴史的な節目にしましょう」と語っていました。