23日に岩国基地(山口県岩国市)への陸揚げが計画されている米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの事故が2006年10月~11年9月までの過去5年間で30件発生し、米空軍仕様のCV22オスプレイが同期間に起こした事故28件を合わせると、計58件に上ることが米軍の資料で分かりました。ほぼ月に1回は事故が起こっている計算です。

米軍は現在、航空機事故について(1)死者が出るか200万ドル以上の損害が出たりした事故を「クラスA」(2)重傷か50万~200万ドルの損害が出た事故を「クラスB」(3)軽傷か5万~50万ドルの損害を出した事故を「クラスC」―などと分類しています。(注)

米海兵隊安全部の公開資料によると、MV22の「クラスA」事故は2件で、内容は夜間訓練中のエンジン収容部からの出火と、機体後部からの乗員の転落死となっています。「クラスB」は、離陸直後に急激に降下し地面にたたきつけられる事故や着陸時に前脚が折れる事故など6件。「クラスC」は、エンジン収容部からの出火や着陸時の衝撃で負傷者が出るなど22件となっています。

また、米空軍安全センターの公開文書によると、CV22の事故は「クラスA」2件、「クラスB」6件、「クラスC」20件―の計28件です。

詳しい事故の内容は明らかにされていませんが、「クラスA」の1件は乗員4人が死亡したアフガニスタンでの墜落事故。「クラスB」「クラスC」は整備に関連した事故が多い傾向にあります。

オスプレイは1990年代~2000年代初めの開発・試作段階で墜落事故が多発。今年も4月にMV22がモロッコで、6月にCV22が米フロリダ州で墜落事故を起こしていますが、それ以外にも大小多数の事故が発生していることを示しています。

(注)損害額の規定は09年10月に引き上げ。それ以前は、例えば「クラスA」で100万ドル以上の損害。

7月22日付赤旗より