財団法人神奈川フィルハーモニー管弦楽団から解雇された団員2人が4日、同楽団に地位保全と賃金仮払いを求める仮処分命令申立書を横浜地裁に提出しました。

申し立てたのはコントラバス奏者の布施木憲次さんと杉本正さん。2人は神奈川県公務公共一般労働組合神奈川フィルハーモニー管弦楽団分会の組合員で、楽団と折衝する役割を担ってきました。楽団は突然、演奏技術が著しく低い、楽団の品位を汚したなどとして4月11日付の解雇通知を2人に出しました。同分会は解雇撤回を求めて団体交渉を行いましたが、楽団は解雇撤回に応じませんでした。

申立書は「解雇理由は、事実をねじ曲げ、不当な評価を行った末に導かれたもの」だとして、解雇に理由がないとしています。

記者会見で杉本さんは「絶対的な尺度であるかのように演奏がうまい、へたという者が楽団を運営していること自体がおかしい」と怒り、布施木さんは「30年以上前に楽団に入り、自分たちで楽器を運ぶなど苦労してきた。このような事で演奏の場を奪われるのはすごく悔しい」と訴えました。

同席した田渕大輔弁護士は、解雇に正当な理由はなく違法・無法だと指摘。同時に「2人を神奈川フィルから排除することで神奈川フィル分会の力を弱めようとする意図がある」と述べました。

「良くする会」には日本共産党はたの君枝衆院南関東ブロック比例予定者も駆けつけ激励しました。