再審制度について審議していた衆院法務委員会は12日、自民、日本維新の会、参政党の賛成で政府案(刑事訴訟法改定案)を可決しました。政府案では冤罪(えんざい)被害者の速やかな救済はできないという指摘が強まる中、自民・維新の与党が参政の協力を得て採決を強行したものです。(関連2面)
同時に審議されていた日本共産党と中道改革連合、チームみらいが共同提出した超党派議連案は否決されました。
再審法を巡っては、国家による最大の人権侵害である冤罪被害の早急な救済のため、再審請求人への直接の証拠開示や、再審開始決定に対する検察官不服申し立て(抗告)を全面禁止できるかが問われています。
政府案の、裁判所が検察に証拠の提出を命令する制度は、対象を再審請求理由との「関連性」があるものなどに限定し、再審請求人への開示は認めていません。証拠の目的外使用を一律に禁止する規定は、支援活動や報道を萎縮させる恐れがあります。
また、検察官抗告を「原則禁止」としながら、検察官が「十分な根拠がある」と判断すれば可能とする抜け道を残しています。
12日の委員会で可決された与党と参政の修正案は、法施行後5年ごとの検討事項の対象として、証拠の目的外使用禁止や、検察官が保管する証拠の一覧表に関する制度を例示するにすぎません。
議連案の共同提出者である日本共産党の畑野君枝議員は同日、談話を発表し、冤罪被害救済に逆行する政府案の採決を与党が強行・可決したことに抗議。請求人への証拠開示や抗告全面禁止を盛り込んだ議連案の実現に力を尽くすと表明しました。
(しんぶん赤旗2026年6月13日【1面】)
再審法政府案採決に抗議
議連案共同提出者 畑野氏が談話
2026年6月13日【2面】
再審制度に関する政府案(刑事訴訟法改定案)の採決が衆院法務委員会で強行された12日、日本共産党の畑野君枝議員は、共産党と中道改革連合、チームみらいが共同提出した超党派議連案の共同提出者として抗議の談話を発表しました。
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本日、衆院法務委員会で自民党、日本維新の会などが再審法の採決を強行し、重大な問題点を何ら変えない与党修正によって政府案を可決し、3党提出案(議連案)を否決したことは断じて容認できません。3党案提出者として強く抗議します。
冤罪(えんざい)は、国家による最大の人権侵害です。再審法改正の目的は、冤罪被害者を速やかに救済し、人権侵害を二度と起こさせないことです。そのためには、「再審請求審における全面的証拠開示」と「検察官不服申し立ての全面禁止」は不可欠であり、超党派議連案こそ、この要請に応えるものです。
政府案は、証拠提出命令の対象を再審請求理由に限り、再審請求者への開示を認めない不当なものです。現状よりも開示の範囲を狭める改悪にほかなりません。さらに、証拠の目的外使用の禁止は、冤罪被害者の救済・支援や報道を萎縮させ、国民の知る権利を不当に侵害するものです。
また、検察官不服申し立ては、「原則禁止」と言いながら、検察官が「十分な根拠」があると判断すれば可能となっています。全面禁止に背をむけ、これまでと変わらない運用を行おうというものであり、冤罪被害者の救済に逆行します。
証拠の捏造(ねつぞう)や隠蔽(いんぺい)、自白の強要などで冤罪をつくりあげた警察、法務省・検察当局に全く反省がないことは、審議を通じて明らかになりました。
再審無罪となった袴田巌さんの姉・袴田ひで子さんは参考人質疑で「この法律(政府案)で通されてしまうと、巌も助からなくて、処刑されてしまっていたと思います」「政府案は抜け道をつくっていると思っております。野党の案は大変に結構だと思っております。しっかり見直していただきたい」と述べています。政府案を押し通すことは、冤罪被害者の声を踏みにじるものであり、到底許されません。
自民・維新・参政の修正案は、政府案の重大な問題をなんら解決するものではありません。付則第2条は、5年ごとの検討事項に、証拠の目的外使用、証拠開示を単に例示したものにすぎません。付則第4条2項の証拠の提出命令条項の追加は、政府案により証拠開示の範囲が狭まる危険性があることを自ら示したものにほかなりません。
日本共産党は、冤罪被害者を救済する再審法とするため、引き続き国民的議論、国会の徹底審議を通じた議連案の実現に全力を尽くします。