川崎社会保険病院売却問題で、同病院支援対策会議は27日、売却を白紙撤回し医療機能を回復させることなどを求める署名約3000人分を、厚生労働省に提出しました。

申し入れには、日本共産党の田村智子参議院議員、佐野仁昭市議、中野としひろ衆院神奈川10区予定者、はたの君枝南関東ブロック比例予定者が同席しました。

厚労省担当者は、同省通知が発端で医療機能縮小が起き、地域住民に不便と迷惑をかけたとして改めて謝罪。社会保険病院の整理・売却を行う年金・健康保険福祉施設整理機構と病院を運営する全国社会保険協会連合会に医療機能の維持を勧告し、関係大学に医師確保の協力要請したと説明しました。

同席した同病院職員は、人員不足で十分な医療が提供できないと語り「給料が上がらず、ボーナスが減らされても、意味があって設置されている社会保険病院だから頑張ってきた。なぜ売る話が出てきたのか、私たちには、経過も何も説明もされていない」と憤りました。

佐野氏は、病院の立地が工業地域だと指摘し「公的病院だから地域医療を守れた。民間売却で地域医療が崩壊したらどう責任を取るのか。考えが甘い」と訴えました。

田村氏は「経過があまりに不透明だ」と国の対応を厳しく批判。混乱の原因を調べて経過とともに説明すべきだとして、改めて説明の場を設けるよう要求しました。

厚労省担当者は、対応を検討すると約束しました。

※川崎社会保険病院の売却問題※

厚生労働省の売却指示(昨年12月)をうけ、健康保険福祉施設整理機構(RFO)が入札を告示(今年4月)。5月18日が入札日です。病院では一連の経緯から、医師や看護師の離職が続き、病棟を縮小せざるを得ない状況に追い込まれ、患者からも不安の声が寄せられています。現在、川崎労連、神奈川県医労連などが同病院支援対策会議を発足させ、売却の撤回と病院の存続を求めています。