参院神奈川選挙区予定候補の公開討論会

はじめに
参院選神奈川選挙区予定候補公開討論会(日本青年会議所主催)は17(横浜会場)、18(平塚会場)、21(相模原会場)の3日間行われました。討論では、消費税や基地などが話題となりました。そのなかで、アメリカ・財界言いなりから「国民が主人公」の政治への転換を訴えた日本共産党の、はたの君枝氏と他氏との違いが鮮明になりました。

1、大企業の法人税減税の穴埋めだと指摘し消費税増税に反対した唯一の、はたの氏

はたの氏は、「消費税は一世帯あたり、4人家族で平均16万円も上がる」(21日)と強調し、「国民に増税を押し付ける政治はやめさせなくてはならない。国民に負担を押し付ける消費税ストップで一貫して頑張る」と力を込めました。

民主党の男性パネラーは、「消費税は中長期的には上げることも必要になるかもしれませんが、少なくともここ当分は据え置きでいくべきだ。私は党内で反対していきたい」と党や首相の公約とは異なる発言をしました。はたの氏は「党の中でバラバラというのは国民からも納得できない」と批判しました。

民主党の女性パネラーは「(消費税増税は)どこかで論議していかなければいけない課題だ」とのべました。民主党の男性パネラーも「玄葉政調会長が消費税の引き上げはデフレ脱却の後だと明言している。我々もその方向でやっていきたい」と両氏とも消費税増税の立場を認めました。

自民党のパネラーは、事前アンケートで消費税「引き上げ」を選択。「海外に企業が出ていき、雇用が失われる。法人税実効税率40%もしっかり見直していかなくちゃいけない」(18日)と大企業・財界の応援の姿勢を示しました。

みんなの党のパネラーは「消費税を増税する前にやることがある」(17日)と消費税増税の立場。同党の政策には「将来的な増税を一切認めないという立場は、我々もとらない」と明記されています。さらに同氏は「法人税の引き下げ」(21日)を訴えるなど、自民、民主両党と変わりません。

新党改革のパネラーは「消費税の増税も必要だ」とし「法人税の減税」も主張。たちあがれ日本のパネラーは「歳出を削減して、景気が回復したら消費税を将来やればいい」(17日)とのべました。

はたの氏は、消費税が法人税減税の穴埋めに使われたことを指摘し、日本経団連が成長戦略で法人税減税と消費税増税が打ち出したことを紹介しました。さらに、消費税増税によらない財政再建策を提起。軍事費など税金のムダ使いをやめ、大企業のゆきすぎた減税を見直し、応分の負担を求める立場で財源を確保できることを示した唯一の候補でした。いずれも、消費税増税で一致し、ほとんどが法人税減税も主張しました。

2、基地被害に苦しむ県民に心を寄せ、基地撤去、安保廃棄から友好条約へと主張した唯一の、はたの氏

「今の日米関係を基軸」(新党改革)、「日米関係を基本」(民主党女性)、「日米安全保障条約は必要」(民主党男性)、「日米の同盟が基軸」「アメリカの海兵隊は攻めの部隊。ある程度必要」(みんなの党)などと述べました。たちあがれ日本も「日米同盟が前提」と強調。自民党は、ビラでは「日米同盟が基軸」としており、いずれも日米同盟を基軸で一致しました。

はたの氏は、空母艦載機の爆音被害を米軍基地に伝え、やめるよう要請してきたことを紹介しました。普天間基地では、党が米国に行き撤去を要請したことにふれ、無条件撤去しかないと主張しました。沖縄や県内の基地が日本を守るためではなく、戦争の足場になっていると指摘しました。ついで、はたの氏は世界の変化について言及。軍事同盟下の人口は67%から16%に減少し戦争しない平和の共同体が広がっていることを紹介し「日本は9条を生かし、核兵器廃絶など平和の先進の役割を果たすことが大事」(21日)、米国とも軍事同盟ではなく平和友好条約に切り替える方向を示しました。

3、厳しい就職難に対し、自己責任論にたたず政治的解決の道を示した唯一の、はたの氏

18日の討論会は、平塚市の大学キャンパス内で行われました。コーディネーターの大学教授は、就職難の厳しい状況にふれ、「よく景気が悪いからだという方がいるが、私は、原因が景気ということで片付けてはならないと思う」と指摘し、就職や将来に不安をいだく学生への言葉を求めました。

すると、「常に前向きでいよう!!」(みんなの党)、「就職活動はあきらめちゃいけない。プラス思考で」(自民党)、「夢に向かってチャレンジを忘れないでほしい」(たちあがれ日本)、「この期間の不安やあせりは将来の糧。自分を信じ挑戦して」(新党改革)など次々と、自己責任論の立場に立った発言が相次ぎました。

はたの氏は「就職難は、景気悪化のせいだけでも、学生の個人責任でもありません」と強調。違法なサービス残業をなくせば160万人の雇用が確保できることなど示し、新卒者雇用確保・促進法の制定をかかげ、「みなさんが声をあげれば動きます。ご一緒に頑張りたい」と呼びかけました。大企業・財界にものをいう立場だからこそ、学生にも心からあたたかい言葉がかけられます。